なぜイスラエルなのか、それは一番最初のプロローグでも書いたとおり、中東は行った事のない地域だから。
公用語はヘブライ語だが、イスラム系も居るのでアラビア語も同じくらいの数が使われている。
ちなみに英語はユダヤ人にもイスラム系にも広く通じて助かる。
実際に旅をしてみると、人種はかなりウザイ。
今まで行った台湾、オーストラリア、フィンランドとは比べ物にならないほどウザかった。
そしてタクシーの運転手は基本ボッタクリで、事前交渉必須なのも面倒くさい。
基本的にウザイのはアラブ系の商人だが、ユダヤ人の商売魂もウザイ。
そしてパレスチナ人の男はみんな悪人面に見える。
軍事で有名なイスラエルだけど、実際には医療や電子機器の開発も盛んな為、分類は先進国に入る。
しかし現実は日本や欧米のような先進国とは程遠く、実感できたのは軍事大国という事だけだった。
街並みは、首都のテルアビブといえどもNYの摩天楼や新宿の高層ビル群のような派手さは全く無く、これで先進国と言い張るつもりか? と疑わしくなるほど。
そのくせ物価だけは生意気にもかなり高く、外資系の外食産業や小売関係は欧米や日本をも上回る。
エルサレムの旧市街地の個人商店は物価以前の問題で、観光客を見ると元値の10倍の値段を吹っかけてくる。
街中には軍人が自動小銃を持って闊歩してるという話だけは本当で、いたるところで見かける。
そのほとんどは徴兵中のような若い男女の兵士がほとんどだが、列車、デパートの入り口、大型観光名所の入り口などでは金属探知ゲートをくぐらなければならない徹底振り。
俺の場合は空港以外では足止めされた事は無かったが、あちこちに設置されてる金属探知ゲートと検査はいい気持ちはしない。
こう書くと全く魅力が無い国に聞こえるが、その見所は今まで行った国の中でもトップクラスに多く、しかも歴史あるものばかり。
国土が狭いので10日もあればほとんどの観光地を巡れてしまう。
有名どころはエルサレムのユダヤ教の聖地嘆きの壁、キリストが磔にされて通ったVIA DOLOROSA、キリストが没した聖墳墓教会、ムスリムの聖地岩のドーム。
世界最低海抜-400mの死海、リゾート地の地中海。
パレスチナに入ればキリスト生誕のベツレヘムの地にある聖誕教会、聖誕の洞窟、そしてアーティスティックな落書きの分断壁などなど・・・。
そのほとんどは無料開放され、世界各国から信者や観光客が集まる。
国内の移動手段は主にバス。 中・長距離はバスが断然便利。
鉄道も一部に通ってはいるが、路線は短く電化もされていない。
市内を巡るにはタクシーが便利だが、ボッタクリ問題や観光名所に連れてってやるなどの勧誘が多いのであまり乗りたくない。
市内を走る路線バスも走っていたが、俺は利用しなかった。
国土は日本の四国ほどしかないので、国内線の飛行機はほとんど利用価値が無い。
食事に関しては、地中海で取れる新鮮な魚が美味しいが、刺身では無くそのほとんどが酢漬けや塩漬けになっている。
パン生地に野菜や肉をたっぷり挟んで食べるファラフェルという食べ物は、ファーストフードの感覚で食べれて本当に美味しい。
ちなみにさっき書いた外資系の飲食店や中流以上のレストランやカフェはものすごく高い。
酒は、ユダヤやキリスト教徒には飲酒に対する戒律が無いため、一般の商店でも販売している。
宗教問題、民族問題、歴史問題が複雑に絡み合った地域のために紛争が多く、パレスチナ人に関しては平均寿命も短くなっている。
実際に目の前でパレスチナ人がイスラエル兵に射殺されるシーンは見なかったが、けっこう日常的に起こっているらしい。
それよりも帰国してから自分の無知さに気付いたのが、前述のパレスチナ問題に関して。
パレスチナ人はイスラエル人に迫害を受けているのは浅く知っていたが、知識的にそれ以上は知らずに行ってしまった。
パレスチナはパレスチナ国で、イスラエルとは別物。
それをイスラエルが大義名分を掲げて侵略し、パレスチナ国をコンクリートの壁で囲っている。
軍事的にも経済的にも乏しいパレスチナは大きな抵抗はできず、ほとんどがイスラエルのなすがまま。
それを推しているのは西側諸国の面々で、大国アメリカや欧州や日本。
たまにするパレスチナの抵抗は、みなさんご存知の自爆テロ。
これはどちらかというとイスラエルにダメージを与えるより、社会的な擁護を引く作戦だと思う。
イスラエルのユダヤ人はどんどんパレスチナ内部に入植している。
しかしパレスチナ人が自由にイスラエルに行く事はできず、パレスチナ内部でもイスラエル兵による統率が行われている。
パレスチナに行く前にそこまで知識があったらよかったのだが、実際はほぼ無知な状態で行った為、悪人面のネビーーッレにはかなり失礼な事ばかり言っていた。
本当にいつの間にパレスチナに入国したのか、そしていつの間に出国したのかも分からない状態だったので、今思い出すと後悔ばかりが浮かんでくる。
そんな中で癒されたのはパレスチナ人の小さな女の子達。
これから先辛い事の方が多い人生が待ち受けてると思うけど、臆せずにたくましく生きて欲しい。
もう一回イスラエルに行きたいか? と問われると行きたくはないが、もしもう一度行ったらまたネビーーッレのタクシーに乗って謝りたい。
一度イスラエルに入国しパスポートにスタンプが押されてしまうと、中東の他の国には入国できない国が多い。
まぁ、もうしばらくは中東なんて行く事が無いから記念にスタンプを押してもらったが、それだけ嫌われてるのも事実なわけだ。
でもイスラエルの国民に対しては、嫌いな気持ちはほとんどない。
一部には悪質なタクシードライバーや死海のホテルの土産物屋に居たファッキン豚ババアもいたりするが、3日目 No.2で乗ろうとした親切なタクシードライバーの運転手、テルアビブのノアちゃんなど、温かい人が多いのも事実。
もしもう一度行けたら、また違った楽しみ方ができると思う。
10ヶ月以上かけて、やっとイスラエル編を終わらせる事ができた・・・。
今回UPした写真は230枚以上で、09.07.03 The State of Victoriaに匹敵する数になってしまった。
それだけ見所が多い国だという事の証明でもあるかな。
次回はもっと気が休まってノンビリできる国に行こう! と思ったのに、この3ヵ月後にベトナムに行ってしまった。
ちなみにベトナムは世界で「三大ウザイ人種」に入る国なので、イスラエル以上に気が休む間が無い。
(ちなみに世界三大ウザイ国は、インド、ベトナム、モロッコ。)
「中東の嫌われ者」 「世界三大宗教と喧騒の国」 というのがピッタリの国だった。 |