終始テンションが上がりっぱなしで動画を撮影。
このシーンを撮る為にここに来たと言っても過言ではない。
ありがとう車掌! 買収なんて考えていた自分が恥ずかしいぜ!
無事に構想していたシーンを撮り終えて、興奮冷めやらぬまま席に戻る。
そのまま窓の外を眺めていると、景色はあっという間に農村地帯になり、車窓からは沼地や塩田が見え始めた。
ここでまた列車の揺れと吹き付ける風が気持ちよくてウトウトしてきた。
約一時間後、再びBanleam駅に戻ってきた。
今回はちゃんと船着場まで歩いて行き、料金を支払って渡し舟に乗り込んだ。
陽はかなり西に傾いていた。
対岸に渡るとMahaChai駅までは人でごった返していた。
夕暮れに近づくにつれて商店や露店がものすごく活気付いている。
MahaChai駅に到着するとすぐにWongwian Yai駅までの切符を購入し、列車が来るのを待つ。
到着まではまだしばらく時間があるので、往路では撮れなかったMahaChai駅構内や近辺の写真を撮る事にした。
駅の奥には列車が停車していたが、これは動く様子は無い。
そのさらに奥には車庫が見えたので近づいてみる事にしたが、一瞬足が止まった。
ものすごい異臭。 ゲロを吐きそうなくらいに臭い。
ゴミがそこら辺にたくさん溢れかえっている。
あー気持ち悪い。 線路内に溜まっている汚泥はゴミの汁と汚水が融合し合ったものだろう。
気を取り直して写真を撮るが、どうしてもこの悪臭には勝てそうに無いので、仕方なく駅舎の方を撮影する事にした。
ここでもメークロンほどではないが、線路は露店で塞がれていた。
しかしメークロンのように線路脇にずらっと市場が形成されているわけではない。
なぜメークロンのように市場を形成できないのか、その決定的な理由は列車の本数の違いだ。
Banleam駅からMaeKlong駅の列車本数は片道1日に4本。
しかしWongwian Yai駅からMahaChai駅まではその倍の8本もある。
軒を閉まったり商品を片付けたりするには列車の本数が多すぎるのだ。 と、俺は分析してみた。
この写真に写っている露店の規模は小さく、MahaChaiの名物とまではいかない。
しかしMahaChai駅から船着場までは立派な商店街が形成されていて、かなりの観光客や地元民で賑わっている。
写真を撮ってないのでお見せできないのが残念だ。
それにしても↑の写真の線路を見てほしい。
ものすごいレールの歪み。 明らかにメンテナンスなどしていない。
この状態なら揺れて当然だ。
揺れだけならまだしも、60km/hくらいの速度で脱線しそうな勢いで歪んでいる。
写真を撮ったり露店を眺めたりしていると、遠くの方から列車がやってくるのを確認した。
定刻よりは15分程遅れているが、まぁ許容範囲内だろう。
メークロン市場に比べるとたいした映像じゃないが、一応収める事にした。
やって来た列車にすぐに乗り込み、Wongwian Yai駅に向かって出発するのを待つ。
MahaChai駅から発車した列車の車内は、今日乗った列車の中で一番混んでいて、座席の半分くらいは人で埋まっていた。
再びウトウトしながら列車に乗っていると、外はゆっくりと陽が暮れてきて車内も薄暗くなってきている。
Wongwian Yai駅に近づくにつれて乗客も多くなってきて、バンコクの市街地に入る頃には立っている乗客もかなり増えてきた。
Wongwian Yai駅は終点なので乗り過ごす事はないのだが、車内アナウンスなど無いので終点かと思った駅が終点ではなく、降りようとして思いとどまるという恥ずかしい場面もあった。
こうしてMahaChaiから再び一時間かけてWongwian Yai駅に到着。
陽はほとんど沈みきっていたが、駅の周辺にはたくさんの屋台が出ていて、朝とはまた違ったバンコク市街地の顔を見る事ができそうだ。