みなさん、タイで一番有名な市場はどこだと思う?
おそらくは「ダムヌンサドゥアックの水上マーケット」と答える人が一番多いだろうと思う。
今回の旅行で水上マーケットには行ってないが、あと数日滞在日数が長ければアユタヤと同じくらい行きたいところだった。
しかしその超有名な市場よりももっと行きたいと思ってた場所。
どの寺よりも遺跡よりも、戦場にかける橋よりも行きたいと思ってた場所が、今回行ったメークロン市場という所。
別に市場で土産を買ったり、何かを食ったりが目的なのではない。
ただ純粋に「見てみたい!」という気持ちだけ。
そのメークロン市場の存在を知ったのは↓の動画から。( 実際はYouTubeではなくVimeoで知ったのだけれど、Vimeoの方は見つけられなかった。)
http://www.youtube.com/watch?v=s_KcIGpc1AY
映像の2分40秒くらいまでがメークロン市場で、動画を見てくれたらどうして俺が行きたがるのかが分かるはず。
この動画を初めて見たのは2年半くらい前。
その時ものすごい衝撃を受けて、まずは国を割り出した。
そしていつか絶対に行ってみたいと思った。
希望を膨らませるのは誰にでも簡単にできる。 しかし希望を現実に変えるのはたやすい事ではない。
しかしついに夢が叶うのだ。
タイ滞在3日目。
6時半に起床し、シャワーを浴びて朝食を食べに下に降りた。
すぐに食事を済ませ部屋に戻り、出掛ける準備を始めた。
今日は夢にまで見たメークロン市場へ。 現役の線路の上に広がるあの市場へついに行くのだ。
この日の為にどれだけ念入りに調べた事か。
まずはVimeoで動画を見た時に国を割り出した。
そしてタイ旅行の下調べ時に、バンコクからの距離や行き方を徹底的に調べ上げた。
距離はバンコクから約130km。
移動は列車と船。 船!?
そう。 調べたところ、河を渡る渡し舟に乗らなければ辿り着けないらしいのだ。
行き方は、BTSのWongwian Yai駅から国鉄Mahachai線のWongwian Yai駅で乗り換える。
そこから終点のMahachai駅まで行き、数分歩いて河を越えるための舟の船着場に向かい、渡し舟で向こう岸へ。
河を渡り10分強歩いて、Maekurong線のBanleam駅到着すると、あとは終点のMekurong駅までひたすら列車に揺られて到着。 と言ったルートになる。
最初の駅、Wongwian Yai駅までBTSで行ってそこから国鉄Mahachai線のWongwian Yai駅まで徒歩で向かい、チケットを買って列車に乗るつもりだったが、面倒くさいので流しのタクシーに乗ってMahachai線のWongwian Yai駅まで行く事にした。
ホテルの近くでタクシーをつかまえて「Wongwian Yai駅まで行ってくれ」と告げると、「そこからどこに行くんだ?」と聞かれた。
なんでその先まで答えないといけないんだ? と怪しげに思い、少し警戒しながら目的地の中間の「Mahachaiだ」と答える。
後で分かったのだが、なぜ運転手が行き先を聞いたのか。
それはちゃんと国鉄のWongwian Yai駅へ向かう為だった。
実際のBTSのWongwian Yai駅と国鉄のWongwian Yai駅は徒歩で20分程離れており、とても乗換駅とは言い難い位置にあった。
この運転手の思わぬ機転に助けられたのだ。
ぼったくるのでは? と少しでも思った自分が恥ずかしい。
朝の喧騒のチャイナタウンを抜けチャオプラヤ川を渡る。
チャイナタウンから15分程走ると国鉄のWongwian Yai駅前へ到着した。
こんなに近いとは思わなかった。 BTSではなくタクシーを使って正解だった。
駅は道の向こう側。
歩道橋を渡って駅に向かう。
表向きは全く駅らしくなく、パッと見た感じではどこに駅があるのかわからないほど。
朝の屋台や商店に紛れて1本のレールが延びてきて、屋台達の前で線路が終わっている。
車止めは無く、代わりに花壇があるだけ。
ホームは簡素な単式ホームで、個人商店がびっしり隣接しているという驚くべき構造になっている。
BTSやMRTと比べると、ものすごいローカルな路線だという事が駅構造を見ても分かる。
チケット売り場でMahachai行きのチケットを購入。 10BTだ。
思ってたよりも早く駅に着きすぎてしまったので時間を潰すのが大変だ。
列車が来るまではまだ40分以上もあるので、適当にホームにある商店を眺めたり写真を撮ったりして過ごす。
食事でもして時間を潰そうかと思ったが、先程朝食をとったばかりなので腹は減ってない。
チケットを買ったときにもらった時刻表に目を通す。
自分が乗る予定の列車は8:35にWongwian Yai駅を出発し、9:28に終点のMahachai駅へ到着する。
(↓の写真にオレンジ色を付けといた。)
約1時間の距離だが、まだそこは目的地ではない。
8:20頃、列車は1本しかない線路を通って入線してきた。
かなりたくさんの人達が中から降りてくる。
老人もいれば若い女性もいる。 学校にでもいくのだろうか?
それらと入れ替わりに自分を含めた乗客が乗り込む。
降りてきた人数より乗る人数の方が圧倒的に少なく、旅行者数組、行商の婆さん、地元民などばかりで、会社に出勤する様子の人なんていない。
車内の座席はセミクロスシートだがクッションは無くプラスチック製の固い座席だ。
もちろんエアコンは無く扇風機が付いている。
しかしその扇風機も稼動はしていない。 その代わりに窓が全開になっていた。
定刻の8:35、ディーゼルカー特有の大きな唸り声を上げながら列車は発車した。
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