やがて飛行機はバンコクのスワンナプーム国際空港へ到着した。
ボーディングブリッジを降りると、早速ムワッとした熱気が身体を包んだ。
人の流れに沿ってイミグレに向かって歩き、途中にあった喫煙所でまず一服。
その後イミグレも問題なく通過し、荷物を受け取ってメトロの乗り場へと向かった。
路線図を見ながらトークンを購入し、列車が来るのを待つ。
スクリーンタイプのホームドアつきのホームはさほど珍しくないが、設備だけ見ているととても途上国には見えない。
時刻は22時前。
夜間の為か、列車が来るまでに15分ほど待ったが、しばらく待って入線してきた列車に乗り込む。
まずはここスワンナプーム国際空港からARL(エアポートレールリンク)に乗車し、MRTの乗換駅のMakkasan駅へと向かう。
車内はエアコンが効いてとても気持ちがいい。
印刷してきた路線図を睨みながら、停車した駅を確認していた。
下調べの通り5駅目でMakkasan駅へと到着し下車する。
スワンナプーム国際空港からマッカサンまでは、駅間が長く20分程乗車していた。
メトロへ乗換えの為改札を探す。
おそらくは地下にあるだろうが、メトロの改札らしきものは全く見当たらない。
それどころか、地下の入り口すら見当たらない。
22時を回ったこの綺麗な駅は閑散としていて、改札はおろか人の影さえない。
一緒に下車した僅かな乗客たちは早々にどこかへ消えてしまった。
構内にある全ての看板を見て歩いたが、メトロの乗換えの事など一切書いてなかった。
印刷してきた路線図では確かに接続されているのだが・・・。
仕方なく外に出てみても、そこはガード下の駐車場のようになっていて、とても駅前とは思えない。
タクシーもいないし、商店も無い。
一体俺はこれからどこに向かって歩けばいいんだ。
遠くの方に人が一組、二組あるいているのが見えた。
彼らはさっきの電車から降りていった客だろうか。
ここにいても仕方が無いので、俺も彼らの向かうほうへと歩いていった。
ガード下の駐車場のような道を数分歩くと大きな交差点にぶつかった。
直進か左折か右折か、どっちに行けばメトロの駅があるのかなんて分からないので、他の奴らと同じように信号が青になってから右に曲がってみた。
夜間だが道が大きいので車の通りもかなり多い。
右折してから1分ほど歩くと、右前方に地下鉄の入り口らしき看板が見えた。
コンタクトをしてないので定かではないが、近づくにつれてそれはハッキリと地下鉄の入り口を現していた。
しかし5分以上歩いて辿りつく駅が乗換駅といえるのだろうか。
まるで武蔵野線の新秋津駅と西武池袋線の秋津駅のようだ。
この地下鉄では入り口で金属探知ゲートをくぐらなければならなかった。
といっても、センサーが反応してもほとんど何も調べないのだが。
車内は涼しくて清潔で、アナウンスもタイ語と英語で案内されていた。
メトロは順調に走り、終点のHua Lamphong駅に到着。
さぁここからは闇夜の中歩いてホテルを探さなければならない。
目指すホテルは中華街のあり、Googlemapで事前に調べた結果は徒歩約15分といったところ。(迷わなければ。)
メトロの出口は4ヶ所あったが、周辺地図の案内板と照らし合わせて一番近そうな出口に向かった。
地上に出て狭い歩道を歩き、道路を横断して小さな橋を渡る。
ここまではGooglemapの通りに歩けているだろう。
しかし駅からはまだ数分歩いただけなので気は抜けない。
小さな橋の上にいた工事現場の警備のおっさんに声を掛け、中華街の方向を聞く。
そして地図を見ながらそれっぽい方向へと歩く。
道路に面している商店街前の歩道を行く。
店は全てが閉店しているが、シャッターや店先の飾りを見ると、それはもう中華系の商店の様子を呈してた。
暗闇の商店街をしばらく歩き、左折をする。
すると、そこはまだ明るく活気付いていたので驚いた。
時計は23時を指していたが、路上の端にはたくさんのテーブルと椅子が並べられている。
多くの店の軒先は人で溢れかえっていた。
鼻を突くような匂いやよだれが出そうな美味そうな匂いが漂っている。
飲食店だけでなく、雑貨や海賊版を売る多数の露天も出ていた。
おそらくここは中華街の中心地だろう。
そしてメトロのHua Lamphong駅から歩く事役30分、大きく迷う事も無く、これから3日間宿泊するホテルCHINA TOWN HOTELを発見した。
ホテルの目の前にはセブンイレブンもあったので、チェックインの前に酒を買ってからホテルへと向かった。
そしてホテルにチェックインし、無事に到着した旨を嫁に知らせる。
外見とロビーは新しくて綺麗だが、各フロアの廊下や部屋の内装はそんなに新しくは無い。
しかしシーツは清潔で湯も問題なく出たし、日記を書くのに楽なデスクまであるので充分。
酒を飲みながら日記を書き始めるが、いつの間にか途中から熟睡してしまった。
気付いたら午前4時。
急いで風呂に入り布団で眠りなおした。 |