そういえば11時にメイク室に来てくれと言われていたのを思い出した。
時間的にちょうどいいので、ここで一旦両親や浩君と別れ部屋に戻り正装に着替えた。
花嫁とは違い、花婿には着付けの手伝いは付かない。
「男って可哀想。」などと思いながら着替えを終えメイク室へと向かった。
部屋にはカメラマン2人とメイク係2人がいて、陽子は既にドレスに着替えて、メイクも終盤に入っていた。
「・・・なんだこの化粧は。」
普段付ける事の無い付けまつ毛をしているだけでも、十分に顔にインパクトが出たのに、紫のアイシャドーをしている。
濃い。重い。顔の自己主張が強すぎる
メイクが終わるまで俺のソロショットを撮らせて暮れとお願いされたが、正直それは勘弁して欲しかった。
メイクも終わって12時になり、いよいよ式の本番直前となった。
2人で2階のメイク室を出て廊下から吹き抜けになっている1階を見ると、そこにはすでに家族やスタッフ、関係者が全員集合していた。
しばらく2階から下を見下ろしながら手を振り、エレベーターで1階へと下りていった。
1階へ到着すると、カメラマンや家族たちの撮影会が始まった。
時間も押しているので教会へと移動し、新郎親族の一番前の通路側の席で花嫁が来るのを待つ。
少しすると花嫁が父親とバージンロードを歩いてきて、いよいよ結婚式が始まった。
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