Travel

 12.02.18 東から西へ

エピローグ

帰国から約1年半、やっと「東から西へ」を書き終える事ができた。
前頁でも書いたが、写真も無く日記にも書かれてない部分はすでにほとんど記憶が無い。
最後のロスの空港での出来事は、これを書きながらかろうじて思い出した部分であったが、一瞬ニューヨークからニューオーリンズに向かう時の場面と混同した。

プロローグでも書いたとおり、残る地域はアフリカ、北米、南米が未開拓地であり、旅行当時は最大の円高という事もありアメリカを選んだのだが、最終的には正解だったといえる。
とはいえ日本並みに物価は高く、おまけにチップまである。
その上酒豪2人で規制役もいないものだから、何よりも一番大きな出費は酒代で、数万は飛んでるだろう。

今回は東から西へアメリカ大陸を横断したいと考えており、それ以外の行程は全て親父に任せた。
彼を誘ったのもアメリカに精通していて頼れる存在であり、面倒な列車の手配やホテルの手配もやってもらおうと思ったから。
それにこういう機会でもなければ互いにアメリカ横断をする事なんてなかったと思う。

訪れた街の風景も変化に富んでいて、旅の出発点は世界三大都市の一つのニューヨークから始まった。
摩天楼の超高層ビル群の下には、タイムズスクエアやセントラルパークを初めとする近代的で超有名な名所がいくつもあり、少し足を伸ばすと自由の女神やアポロシアターなど、アメリカの文化と歴史を象徴する場所や、教会、博物館、美術館なども多くある。

そしてこの旅一番の思い出となったルイジアナ州のニューオーリンズ。
東から西への移動はできればルート66か、それに準ずる形のルートで移動したかったのだが、親父がニューオーリンズにどうしても行きたかったらしく、それに準じて取ったルートは南部方面からの東西横断。
そしてニューオーリンズでは世界三大フェスティバルの一つ、「マルディグラ」。
もともとアメリカ南部には興味は無く、偶然にも開催されていたこの祭りに最初はウンザリすると思っていたが、実際はその真逆で、マルディグラを間近で体験する事ができて本当に感動する事ができた。

続いて2泊3日のアムトラック。
我々の乗ったSunsetLimitedはアムトラックの中でも最長の距離を走る列車。
町、村、湿地帯、砂漠・・・景色を眺めながら食堂車での食事。 ビール。 停車毎に外に出て吸うタバコ。
何もかもが素晴らしい。
そして悪化の一途を辿る風邪。
今となってはいい思い出だ。

到着したロサンゼルスはこの旅で最も残念な場所だった。
日本人のクソガキ共の卒業旅行の時期と被っていて、どこに行っても集団のクソガキがウロチョロしている。
やはり海外に行くには日本人の少ないところがいい。
そういう経緯もあってニューオーリンズがなおさら素晴らしい思い出となった。

砂漠の中のラスベガスは、ロスからバスで半日かけて到着。
周囲には何も無い砂漠の中に大きな街が現われる。
縦横20km程度の小さな街だが、世界トップクラスのギャンブルの街。
老若男女、赤白黒黄、様々な世代と人種が入り乱れていた。

今回の旅は一人じゃなかったので自由な時間は半減されたが、一人旅以上に濃密な内容となった。
多分もう経験する事はないだろう父親との二人旅。
旅費は折半だがいい親孝行ができたと思うし、互いに貴重な経験ができて最高の思い出になったと思う。

もし今度アメリカに行く機会があったら、オレゴン州の片田舎のような場所へ行きたい。

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