この旅で最も辛い夜をどうやら無事に乗り越えたようだ。
しかし当然だが、病状は回復していないので辛い事に変わりはない。
翌日は5時半に起床。
シャワーを浴びて出発の準備をし、KAWADA HOTELへと向かう。
早朝にもかかわらずMAYFAIR HOTELの前には1台の送迎者が停まっていて、運転手は我々に乗り込めと手招いてきた。
しかしそれは明らかな白タク。
フロントに手配してもらった一般のタクシーに乗り込み、KAWADA HOTELへと向かった。
KAWADA HOTELへは6時20分に到着。 集合時間は6時半だったので10分前に到着したのだが、ラスベガスへ向かうバスは一向に来ない。
来る気配もない。
ホテル前でバスを待っているのは、我々親子の他にもう一組。
4人のグループで来ている日本人の学生だった。(全員男。)
集合時間から送れること15分、大型観光バスがホテルの近くで停車した。
名前を確認して乗り込み、バスは走り出した。
運転手は気さくなおっさんで、前の席の方が景色がいいからこっちに座れと勧めてくる。
チケットに自分の座るシートが記載されているのだが、運転手が進めるなら別に構わないだろう。
ちなみにこのバスの運転手は華僑。
そしてバスの車体に書いてある文字も漢字だ。
この大きなバスにラスベガスまで乗客はたった6人だけなのだろうか。
10分、20分、30分・・・ロスの市街地を走りながらバスはどんどん乗客をピックアップしていた。
そしてピックアップした客のほとんどは華僑だった。
ところで、体調の方はというと・・・相変わらず身体は風邪でダウン状態だが、視覚は幾分かハッキリとしてきた。
途中、砂漠のど真ん中のドライブインでトイレ休憩。
トイレから戻って車内で発車を待っていると、後から来た親父がビールを買ってきてくれたのでいただいた。
その後はまたひたすら砂漠の中の一本道を走り続ける。
窓から見える流れる景色も、アムトラックで通過したテキサスの景色と一致するものがあった。
ロサンゼルスのKAWADA HOTEL前を出発して約5時間半、バスはラスベガスへと到着した。
休憩時間やピックアップの時間を除くと4時間半といったところだろう。
思っていたより近かったようだ。
バスを降りて一番に感じた事、「暑い・・・。」
とても2月とは思えない気温。 さらにとても乾燥している。
まさに砂漠のど真ん中に作られた街だ。
そしてつい10分前まで走っていたステップ地帯が嘘のように微塵にも感じられない。
街には大きな音で鳴り響く音楽が流れ、多くの車が走り、沢山の噴水があって水が溢れ、植林された樹木があり、大勢の人でごった返している。
本当に人間の力はすごいと、改めて感じた。
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