ホテルに戻った我々は、まだ14時過ぎだが疲れきっていたので少し眠る事にした。
今日もこの時点で普段の数日分は確実に歩いている。
とりあえず俺も仮眠をしようと思ったが、先に眠った親父のいびきがうるさくて全く眠れない。
本当にいい加減にしろと言いたい。 昼も夜もこれでは寝不足になって俺の身が持たない。
とりあえずDSを点けてドラクエ9を始めるも、いびきのうるささに全く集中できずにイライラしてくる。
その後ようやくウトウトしてきたかと思ったら、勝手に起きて夕食を食いに行くと言われた。
まだ16時過ぎだぞ・・・。 しかも俺はほとんど寝れてないし。
全くいい気なもんだ。 人の事は考えず自分だけガーガー眠りやがって。
「うるさい!」 と怒鳴る度一瞬いびきは止むが、数秒もすると再び爆音を奏で始める。
不機嫌なまま渋々ホテルを後にし、親父の目当ての店へと向かう。
陽が傾いてきた街中は祭りの激しさが一層増し、場所によっては歩くのも困難な程に人で溢れかえっている箇所がある。
そんな人ごみを掻き分けながら進んでやっと辿り着いた目的のレストランは・・・祭りの最中の為休業だった。
そしてもう一つ目をつけていたという店も・・・貸切らしくて入れなかった。
どうやら親父は牡蠣を食いたいらしい。
このニューオーリンズでは牡蠣が有名で、来たらぜひ食べたいと思っていたようだ。
俺も牡蠣は食いたいが、店が無いのならば仕方が無い。
だが親父はどうしても「生牡蠣をツルッと食う」夢を諦めきれないようだ。
牡蠣といえば鍋料理に入れたりカキフライにしたりがメジャーだが、生でそのまま食すのもとても絶品だ。
しかし当たると旅行どころではなくなる。
高熱、下痢、嘔吐など、数日間は身動きが取れなくなるはずだ。
そんな博打をしてまで食いたいか・・・俺だったらやめておく。
だがかなり強い誘惑なのも事実で、万が一当たったらそれはそれで笑い話とでもするか・・・。
適当にフレンチクォーターの近辺を歩きながら、そんな葛藤と戦っていた。
フレンチクォーターの露天でビールを購入。 親父はウォッカベースのフローズンカクテルを注文。
飲みながらさらに適当に歩いていると、角地に繁盛しているオイスターバーを発見。
この時点で俺も覚悟を決めた。
店の入り口には既に数組の客が列を成して待っていたが、意外にも客の回転が早いようで、5分くらい待っただけで入店できた。
店内は満席でとても繁盛していて、従業員も忙しそうに店内を駆け巡っている。
見てて思ったのが、白人の従業員より黒人の従業員の方がよく働いている。
動きもシャープで軽やかで愛想がよく、一生懸命さが伝わってくる。
一つ難点なのが、彼らの顔の見分けがつかない事。
注文したのは定番の牡蠣フライに野菜サラダ、そして生牡蠣。
出てきた牡蠣フライは、日本の一般的な牡蠣フライとは少し違い、牡蠣のから揚げのような感じだった。
これにレモンを絞って食べる。
ケチャップだとかマヨネーズをかけて食べるより、シンプルに食べるのが一番美味い。
これは持ち込んだビールがかなり進む。
牡蠣フライと野菜サラダに遅れる事数分、メインの生牡蠣がやって来た。
こ、これはすごい・・・!!
大きな皿に溢れんばかりの牡蠣が殻ごと盛り付けられている。
日本のスーパーで目にする牡蠣とは異なり、殻も実もかなりの大振り!
牡蠣フライでは衣に包まれていた為中の大きさが分かり難かったが、実際はこんなに大きいのかとかなり驚いた。
これはポン酢をかけて食べたいところだが、アメリカにはポン酢などないのでレモンを絞って食べてみる。
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・*
これは天にも昇る美味さだ!!
これならたとえ当たって寝込んだとしても、後悔する事はないだろう!
旅行というのは、その各地の自然の名所や歴史的な建造物を巡ったりするのが主だが、やはりメインはご当地グルメだと思う。
その土地で有名なものを食べたり、現地人が食べているのと同じものを食べてみる事こそが醍醐味だ。
全てをきれいに食べきった二人は店を後にし、フレンチクォーターのMardi grasを引き続き楽しんだ。
溢れ返る人ごみ、増えていくビーズ。
この熱気がとても斬新で、偶然ここに居合わせる事ができたのはとてもラッキーで幸せだ。
そして↓の2枚は親父が撮った写真から拝借したもの。
ようやく生乳を晒した女性に出会えた。 かなり高齢なのが残念だが。
食後から2、3時間ほど祭りを楽しんでホテルへと戻った。
そして今日もビールを飲みながら1日の締めくくりとして日記を綴る。
ちなみに、日記を書いている時点で、親父のいびきと隣の部屋の外人のいびきの二重奏が聞こえていた。
いよいよ明日からは大陸横断に入る。 |