ニューオーリンズの空港に到着したのは現地時間の夕方前。
まずは預けた荷物を受け取るのだが、初めての空港なうえに荷物を受け取る場所が非常に分かり難く、発見するまでに数十分を要した。
そしてホテルまでの乗り合いバスのチケットの購入。
こういう面倒くさい事は親父に全て任せたから、今回は本当に楽だ。
なんとかバスチケットを購入し、バス乗り場で待機。
タバコを2本程吸っているとバスが到着し、荷物をトランクに入れて乗り込んだ。
行き先は各客のホテル前まで。
あっという間にバスは満席になり、市内へ向けて出発した。
カトリック教会などの西方キリスト教における四旬節の前に行われる祝賀であるため、アメリカ合衆国南部(ルイジアナ州全般、アラバマ州、テキサス州、フロリダ州など)や、カリブ海の多くの国、南アメリカ、ベルギーなどヨーロッパ各地で行われている。ニューオーリンズ(アメリカ合衆国)のニューオーリンズ・マルディグラが有名だが、今は宗教色は消えパレードや音楽が中心の祭りになっている。その規模は、リオのカーニバルと同じく世界の主要カーニバルのひとつに数えられる。
マルディグラの日を最終日とする11日間の祭りの間は、マルディグラ・カラーと呼ばれる紫・金・緑の三色に町中が染まる。紫は正義、金は権力、緑は運命の象徴である。フロートと呼ばれる巨大な山車から、マルディグラ・カラーのビーズを大量に投げ、それを人々が競って受け止める。 また、女性が胸をあらわにして乳輪の大きさを競う風習もあり、毎年その様子を 撮影しようとする人々が訪れることで街は経済的に成り立っている。
バスが走り出した頃には既に陽はほとんど沈みかけており、闇が空の大半を覆っていた。
市内に近づくにつれ渋滞が顕著になってきた。
それと共に人の数と灯りも増えてきた。
何でこんな狭いところをバスは走るのだろうか。
そして道に溢れ帰る人ごみ。
バスはほとんど動かなくなってしまった。
窓越しに外を覗うと、人々の多くは飲み、歌い、踊り、楽しそうに騒いでいる。
建物の中のレストランやバーも人間で溢れかえっている。
そうか。ニューオーリンズでは祭りと重なると親父が言っていたが、この事だったのか。
正直、外国の祭りにはあまり興味が無く、その喧騒や人の多さにはウンザリだと思っていた。
実際に来てみると案の定想像していた通りで、これでは思うように行きたい所にも行けず、常に警戒しながら観光をしなければならないと覚悟した。
そしていたる所での交通規制。
これでは一体何時にホテルへ着くのだろうか。
車内には軽快なジャズミュージックが流れていた。
一組、二組と乗客は自分達の宿泊するホテル前で降りていく。
そして車内にはとうとう我々親子だけになった。
しかし先に述べた交通規制のせいで、車両は我々のホテル前までは行けないという。
暗い路地裏で降ろされ、「そこを左に曲がって30秒だ。」の運転手の言葉を信じ、徒歩でホテルまで向かった。
路地裏から通りに出ると、やはり道は車両進入禁止になっていて、沢山の人で賑わっていた。
祭りと重なる為多くのホテルは満室だったらしいが、中心から少し離れるこのホテルは若干の部屋の空きがあったという。
それでも祭りと重なるので値段も普段の7割増しくらいだったらしい。
バスの運転手の言葉通りに歩くと、ホテルはすぐに見つかった。
フロントでチェックインを済ませる。
カウンター内にいた2人の従業員のお姉ちゃんは、どちらもかなり可愛かった。
ホテル内は驚くほどにシンプルであるがものすごく綺麗で、ニューヨークのホテルペンシルヴァニアとは比較にならないほど。
もちろん室内のほうもシックで豪華で、アメニティも充実している。
外見からは想像もつかないほど中は素晴らしかったので、ここに親父と2人で泊まるのか・・・と思うと、急に悲壮感が襲ってきた。
荷物を置いた後は、いつものように街の散策と夕食を食べに外へ出掛ける事にした。
ついでに祭りがどんなものなのかも確かめる為に。
バスの中からは気付かなかったが、外に出るとすぐにピンと来た。
人々が首からぶら下げているビーズ、飲みながら熱狂する人々、この光景いつかネットの動画で見た事ある!!
でも動画とは若干違う。 動画では↓こんなだった。
乳こそは出してないものの、首から下げているビーズやその人々の光景はまさにあの動画そのものだ!
何年も前にあの動画を見たのは、どこかのエロサイト経由だったと思う。
この地球上でこんな祭りがあるのか。
いったいどこでやっているのか。
俺もいつかこのおっぱい祭りに行ってみたい!! と思っていた。
それがまさかこのニューオーリンズの祭りだったとは!!!
なんという偶然。
なんという幸運。
なんという運命。
渋っていた脳内だったが、俄然この祭りを楽しむ勢いが生まれてきた。
通りにあるバーでビールを購入。
我々もそれに倣って飲みながら街を歩く事にした。
ちなみに今回は年齢の提示を求められる事はなかった。
これは祭りの最中だからか、それとも見た目でOKと判断したのか。
おそらくは前者だろう。
しばらく歩くと、路面電車が走る大通りを完全に車両通行止めにした通りに出た。
ある程度の広さをとって柵が設けられ、左側から山車のようなものがやって来た。
なんというか、日本の神輿のようなものではなく、ディズニーのパレードのような感じで、何かのキャラクターや動物を模した山車には何人もの人が乗っている。
そしてそこから客に向かって投げられるビーズ。
写真を撮っていた俺もできる限り前線に乗り出して手を伸ばした。
しかし中々俺のところにはビーズがやって来ない。
たまにこっちに向かって飛んできても、誰かに途中でキャッチされてしまうか手前で地面に落ちて届かない。
ふと道端を見るといたる所にビーズが落ちているが、それらは壊れてしまったもので首から下げることはできなくなっている。
写真を撮りながら数十分粘ったが、全くキャッチできずに終わった。
親父の方を見てみると、いつの間に取ったのか1本のビーズを下げていた。
道に落ちていた壊れてないものを拾ったらしい。
とりあえず一旦パレードを避け、次はフレンチクォーターの方へ行ってみる事にした。 |