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 12.02.18 東から西へ

N.Y Tour Ground Zero

やっとの事で昼飯タイムである。
朝7時から動き回って慌しく何箇所もあちこち巡っているが、実際には一箇所の滞在時間は数分~数十分の為、じっくり見ているわけではない。
写真を数枚撮っておしまいだ。

でもまぁこのくらいでちょうどいい。
団体行動(と言っても10人だが)をしているし、あまり興味の無い同じ箇所に何時間もいても飽きるだけだから。
「名所」という場所の写真を撮れるだけで満足。

どうやらこのツアーの中には半日ツアーの客もいるらしく、3人がこのグラント・メモリアルで終了となった。
しかしさすがは小さな旅行代理店のツアーなので、各々降りたい所で降ろしてもらうようだ。
半日ツアーの客の目的はやはりハーレムのゴスペルだったらしく、満足そうに去っていった。
女一人旅のセフレ(仮称)はというと、午後も引き続きツアーに参加するようだ。
そして小便女4人組も。

ツアー客7人となった車はマンハッタンをさらに南下し、セントラルパークの南西端のロータリーで停車。
これから1時間各自で昼食タイムとなった。

俺:「マック行こう。」
親父:「OK。」
目の前にマックがあるわけではなかったが、そこは本場アメリカ、すぐにマックを発見し店内へと突入。

マクドナルド マクドナルド

このハンバーガー、値段はいくらか忘れたが日本のマックのどのハンバーガーよりも美味かった。
ポテトは塩分控えめ、ドリンクはやはりものすごく大きい。
日本だとLサイズの上のランクだが、アメリカではこれがミディアムなのだろうか。

親父を置いて一足先に店を出て、街中を軽く散歩する。
休憩しながら一服していると、1時間が経とうとしていたので集合場所へと戻った。

ガイドの運転する車に再び乗り込み、午後一発目の名所へと向かう。
向かう先はChelsea Market。
ここはニューヨークの中で一番のグルメ街で、世界中の食材が取り揃えられ鮮度も素材も抜群な食品街。
中でも肉類がかなり豊富で、Chelsea Market周辺一帯は、昔は肉屋ばかりだったらしい。
その肉を運ぶ為に専用の鉄道も設けられていたらしく、今では鉄道は廃止されたが、その線路跡を花壇や遊歩道として再利用されていて、観光客の憩いの場にもなっているという。

そこでガイドが提案した。
時間的にChelsea Marketの中と鉄道跡の2箇所を見て周る事は不可能なので、どちらかを選んでほしいとの事。
① Chelsea Market内の散策
② 線路跡地の散策

これは絶対に②だろ!!
誰が何と言おうと②だろ!!!
Marketの中なんてたいして興味も無いし、生鮮品の買い物をするわけでもない。
これだけは譲れない! ②だ!!

ところがだ、そこは小便4人組。
小便A:「もちろんChelsea Marketだよねぇ~」
小便B:「うんうん!」
小便C:「線路なんて面白くないし~」
小便D:「おいしいチョコ楽しみ~!」
ガイド:「ではChelsea Marketにしましょう。 皆さんよろしいですか?」
俺:「・・・・・・」

おいおい、いいのか? 俺よ!!
我慢するのか? 耐えるのか? 譲るのか?
団体行動(といっても7人だが)をしてるいるので、俺だけ別行動が許されたりはしない。
これは絶対に②なのだが、でしゃばって白い目で見られるのは嫌だ。
何せまだ午後は始まったばかりで、この後ずっと一緒に過ごさなければならないわけだから、団体行動の輪を乱すような事は言えない・・・。

でもよく考えろ。
この小便女達とは今日限りで今後二度と会う事はないだろうし、何よりこんな小便達のメモリーより、自分自身のメモリーの方が大事ではないのか?
んー・・・んー・・・

こうなったらテレパシーだ。
ガイドの脳内に直接信号を送ってやる。
まずはガイドを凝視だ。 そして「線路がいい!!」オーラを発すればいいんだ。

ガイド:「ではChelsea Marketにしますので、こっちの入り口から入って向こう側から出てきて下さい。」
俺:「・・・・・・」
こうなったらChelsea Marketなんてソッコー抜け出て、空いた時間で線路跡に行ってやるぜ。

そう考えた俺は、Chelsea Market内部の商店には目もくれず、逆側の出口を目指してひたすら進む。
小便達も親父も関係ない。
時速5km程のスピードで進む。
歩くというよりは小走りで、他の客にぶつからないように巧みに人並みをすり抜ける。

逆側の出口は思ったより遠い。
すぐに到着するかと思っていたら、時速5kmのスピードで5分以上はかかった。
内部の通路は多少曲がっていたり人が多かった事を考慮しても、その距離は約400mにもなる。
思ったより時間がかかってしまった。

Chelsea Market Chelsea Market

↑の写真はChelsea Marketの店先の写真。
俺はひたすら歩いていて写真など撮ってないので、親父が撮った写真から。

出口を出て線路跡のある遊歩道に行こうと思った。
そしてその遊歩道の方向を向くと、思ったよりかなり遠い。
遥か後方にその遊歩道は見える。
なぜならそこはChelsea Market入り口付近に位置していたから。

Chelsea Market Chelsea Market

なんてこった・・・。
ここからまた入り口まで引き返さなければならないのか・・・。
それならChelsea Marketなんかに入らず直接遊歩道に行けばよかった・・・。

諦めた。
ベンチに座って泣きながら一服し、線路跡の遊歩道を見るのを諦めた。
約10~15分後、Chelsea Market内部を堪能した各々がやってきた。
・・・こんなに遅かったなら、ダッシュで行って写真の1枚や2枚撮ってこれたのではないか・・・?

車に乗り込み次なる目的地へと目指す。
が、ガイドは小便達の事しか眼中にないらしく、この近辺にあるSex And The Cityの舞台となった家や商店を見せてあげるとかぬかしてる。
俺はもちろん興味なし、親父も興味は無いだろう。 セフレも微動だにせず喜んでいる素振りもない。
ワーキャーはしゃいでるのは小便達だけだ。

俺、親父、セフレ:『早く次ぎ行け!!』

3人の頭の中はまさにこんな感じ。
お、おや? 4人組の中でも1人寝てる娘がいるではないか。
おそらくこいつもSex And The Cityを見てないのだろう。
Sex And The CityのWikiを見てみたが、なんて興味の無い内容なんだ。
金をもらっても見たくない内容だ。

Sex And The Cityの舞台となっているこの辺り一帯を何度もグルグル車で周る。
いい加減にしろ! と思って横を見ると親父も寝ていた。
セフレはボーっとしている。
俺はそんなセフレを眺めて時間が過ぎるのを待った。

小便達も満足し、次にようやく向かった先は・・・グラウンド・ゼロ。
あの3.11で有名なワールドトレードセンターの跡地だ。
わくわくすると言ったら不謹慎だろうか。 しかしその興奮は隠せない。
中に入るわけでもない博物館や、撮影厳禁な教会に行くよりもよっぽど楽しみだ。

Chelsea Marketから車で1時間弱。
グラウンド・ゼロへ到着したが、道中に大混雑の中華街のど真ん中を通った為大渋滞で大幅な時間ロス。
ガイド的に中華街も見せたかったのだろうが、これも余計なお世話だった。

実はこのグラウンド・ゼロへ来るまでもう既に跡地は再開発されていて、追悼碑が建ってメモリアルパークのように整備されているものだと思っていた。
だってあれから10年以上も経過しているわけだし。
ところが実際の現場は全くそんな事はなく、どこもかしこも工事中で中には入れない。

Ground・Zero Ground・Zero

もっと近づきたい。
しかしその願いは叶わない。
どうやら工事中の現在でももっと内部まで侵入する事は可能なようだが、それにはWebから予約して、その証明書をプリントアウトしてこないといけないらしい。
そんなのはもちろん知らないし、どこから予約するのかも分からないし、そもそも俺はプリンターなど持っていない。

11年前にここが大惨事になって数千人の犠牲者を出した場所だが、そんな感慨や追悼の意など、申し訳ない事に全く浮かんでこなかった。
ただただ近づけなくて残念、工事中で残念という意識のみ。
数枚撮影して早々に退散した。

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