ティージーアイ・フライデーズ(TGI Friday's)は、アメリカのカールソン・レストランツ・ワールドワイド社が世界57ヶ国以上で展開する、「古きよきアメリカ」をコンセプトとするカジュアルダイニングレストラン。日本国内では株式会社ティージーアイ・フライデーズ・ジャパンが運営する。アメリカ・グアムでも現地法人・ワタミUSAグアムが店舗を運営している。
そう、入ったのはFRiDAY'Sで、日本のあちこちにも店舗があるアメリカンレストラン。
店内に入ると長蛇の列ができていた。
その列は1階の入り口から奥へと進んで階段を昇り、2階へと続いていた。
タイムズスクエアの目の前という事もあって、かなりの混雑だ。
このまま並び続けるか、それとも他の店を探すか迷ったが、とりあえず並ぶ事にした。
行列とはいえ、実際にはスムーズに進んだ方だと思う。
待ったのはおよそ15分~20分くらいか、予想よりかなり早く席に着けた。
ではとりあえず生2つ。 あぁ、ハイネケン2つ。
しかしここで予想外の返事が返って来た。
「身分証を見せなさい。」
え。 え?
黒んぼの女店員が俺に言う。 あなたは身分証を見せなさい、と。
おいおいおい、どっからどう見ても中年の仲間入りした33歳だろ。
しょうがない、じゃぁパスポートを・・・ホテルの金庫の中だ・・・。
俺:「じゃぁこれはどうだ? 日本の運転免許証・・・ええと、Japanese Driving License・・・。」
黒:「??」
あぁ、しまった!! これは昭和で書かれている!! 西暦じゃないとダメだ。
ええと、他には・・・。 これは? 保険証・・・これも昭和だ・・・。
ええと他には・・・何から何まで昭和だ・・・。
俺が困り果てているのに親父はただひたすら笑っている。
俺:「おい、何とか言ってくれ!」
父:「アハハハハ!! おい店員さん、こいつは俺の息子だ。 信じてやってくれ!!」
黒:「No」
ホテルまでパスポートを取りに行くには時間がかかるし、だからといってビールを諦める事もできない。
だが・・・店員は去っていった。
そして数分後再びやってきた店員は・・・親父にビール、俺に水を渡してきた。
俺:「おいおいおい、待てよ、信じてくれ!! 俺も飲みたいんだ!!」
父:「プーックックック!!」
俺:「おい、何か持ってない? 俺の証明できるもの。 西暦で書かれてるやつ、何か探してくれ!」
父:「お前の証明書なんて持ってるわけないだろうJK・・・。諦めろ。」
そういいつつもバッグの中を探し始めた親父。
そして突如奇声を挙げた。
父:「おい、あったぞ! これはどうだ!! ほら店員!!」
そう言って取り出したのはホテルのバウチャーで、そこには俺の名前と生年月日が西暦で書かれていたものだった。
そして日本の免許証と照らし合わせる黒んぼ。
バウチャーの[21,07,1978]と免許証の[昭和53年7月21日]。
これを見比べながら上司に相談しに行った。
すると黒んぼは「OKよ、ハイネケンね。」と言った。
やっと・・・やっと飲めるぜ・・・。 なんたる無駄な労力だ。
自由の国? とんでもない!
こんな面倒くさいのはもうゴメンだぜ。 明日からはどんな時でもパスポートを持ち歩く事にしよ。
飛行機の中でも聞かれたくらいだから、今後も絶対に言われ続けるだろうし。
そしてメニューに写っていた美味そうなステーキとパスタを注文。
いや~美味そうだぜ! と思いながら、いざ食す。
・・・不味い。
ステーキはえーと、不味いとまでは行かないが美味くない。
付け合せのエビフライの方が美味かった。
そしてパスタ。 見た目はすげー美味そうなのに、実際はかなり不味い。
不味いのか、ただ単に口に合わないだけなのか。
味が酸っぱい上に、入っていたのが竹の子という、よくわからない組み合わせ。
見た目だけで選んじゃだめだ・・・という、いい勉強になった。
そして会計・・・詳しくは忘れたが95$前後だったと思う。
た、高すぎる!! 8000円くらいだぞ!! ビール2杯とステーキとパスタで!!
日本のFRiDAY'Sでももっと安いぜ・・・。
さらにチップを払うので、その額は余裕の100$越えだ。 ベトナムなら中級ホテルに1週間宿泊できる額だ。
こうして悲惨な目にあったFRiDAY'Sを後にして、ホテルへと戻る事にした。
途中、年末のカウントダウンで有名なタイムズスクエアの中心にも立ち寄った。
特に何があるというわけではないのだが、人がわんさか集まっていた。
お~このM&M'sの看板見た事ある!!
お~長いリムジン!!
などと興奮気味。 気付いたら雨も止んでいた。
帰り道にスーパーでビールを買い込む。
面倒くさい事になりかねないので、親父にレジに並んでもらった。
そしてホテルに戻り、風呂に入ってビールを飲みながら日記を書いた。
疲れた一日だった。 |