ここからの何が地獄だったかと言うと、飛行機を降りてからイミグレを通過するまで2時間もかかったという事。
そのチェックの厳しさは9.11のテロ以降からというのは有名な話で、ノービザの変わりにESTAが導入されているのにも関わらず、指紋・掌紋に加えて顔写真まで採り尋問までするという徹底振り。
そして何より時間が掛かった原因が、それらをする係員が1人しかいないという事。
自国民の帰国に関しての入国審査の係員は数人もいるのに、外国人に対しての係員が1人しかおらず長蛇の列ができていた。
俺達の前の便で到着した人達も列を成し、そしてその後に俺達、その後も次の便でやってきた外人がどんどん増え、その列は終わる事はなかった。
ノロノロと進む列の、ちょうど俺らの数組前に1人の日本人女性が並んでいた。
そしてその女性はなんと昔のちょいセフレだった奴にそっくりで、いや、そいつを5kg痩せさせた感じで、何度もチラ見してしまった。
そして色んな事が頭を巡り、やはり1人で来たのだろうか、観光だろうか、本当は本人じゃないのだろうか、声を掛けてみるべきかと考えていたら意外にも2時間はあっという間に過ぎたようだ。
そしてようやく入国許可を得て荷物を受け取り(ちなみに親父はあのバックパックを手荷物として機内に持ち込んでいた・・・)、外に出て一服。
そしてスカイトレインに乗り込んだ。
そこから終点のジャマイカステーションまで行き、料金を払ってチケットを購入し自動改札を抜ける。
なんだか順序が一致しないので今買った切符はどこで使うのだろうか・・・。
そして列車を乗り換えてニューヨーク市内へと赴くのだが、別の駅の別の列車なのでチケットを購入。
すると先程買ったチケットと全く同じ物が券売機から出てきた。
俺も親父もポカーンな状態だったが、「しょうがない、これは後でお前に金を返すよ。」と親父が言ってきたが、「そんなのは構わないから、俺にいい考えがある。 捨てずに絶対取っておけ。」と返答した。
こうしてニューヨークのど真ん中へと向かう列車に乗り込んだ。
空港のあるジャマイカステーションからマンハッタンのど真ん中のペンシルバニア駅までは約15分。
向かう道中、親父に先程の考えを話した。
2日後にニューヨークを経ってニューオーリンズへ向かう予定は、当初は空港まではタクシーを使うと言っていた。
しかしこのチケットを無駄にしない為にも再度列車で行こうと提案した。
タクシーだと市内の渋滞も酷いし、料金も高い。
しかし列車なら早くて安い。
このチケットには日付けと駅名(ジャマイカステーションからペンシルバニア駅)が記載されてしまっているが逆だって同じ料金なはずだから、その時に使ってみようぜと提案した。
もし何か言われたらチケットを買い直せばいいだけだ。 と進言すると、親父もそれに賛同した。
しばらくするとペンシルバニア駅へ到着した。
そこからホテルに向かうわけだが、ここからはもう親父に任せるしかないわけで、ひたすら後へ付いていった。
駅の一角ではストリートミュージシャンが演奏していた。
それに合わせて踊りを始める、楽団とは全く関係ない一般人。(↓写真の左の白い帽子を被った黒人のおばさん。)
こういうのを見るとアメリカだな~と思ってしまう。
近くにいる警官も一緒になってこの演奏を眺めていた。
地上に上がるとまず目の前に飛び込んできたのは大きなビル郡。
そして迷いながらもホテルへと歩いて向かっていると、目の前にはマディソン・スクエア・ガーデン。
マディソン・スクエア・ガーデンで思い浮かぶ興行といえば、人それぞれコンサートやNBAの試合など多数思い浮かぶだろうが、俺の場合は何と言ってもプロレスだった。
実際に若き古館が実況しているVHSのテープに収まっている試合を思い出す。
そのマディソン・スクエア・ガーデンをぐるっと半周するように歩くと、自分達の宿泊するホテルがあった。
外見はとても立派で歴史のあるホテルペンシルヴァニア。
13時にアメリカに到着したはずが、時刻は既に17時前になっていた。
やっと踏み込めた、自由の国への第一歩だった。 |