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 11.04.28 社会主義の途上国

ハロン湾クルーズ 世界遺産

「表に行ってみようよ!」
タイ人の女の子から誘われて、船の甲板(と言ってもそんなに立派なものではなく、見晴台程度)に出た。
船内の窓から見ていた景色が、眼前一面に飛び込んできた。

景色はベトナムというより中国桂林の漓江の山々に近く、ここがベトナムだという事を一瞬忘れてしまうくらいだった。
そして水墨画のような風景。
一時はこのハロン湾を見るのを諦めかけていたが、無理して頑張って諦めないで本当によかった。
ではここでハロン湾のWikiコピペ。

ハロン湾(ハロンわん、越:Vịnh Hạ Long/ 灣下龍)は、ベトナム北部、トンキン湾北西部にある湾。漢字表記は下竜湾。クアンニン省のハロン市の南に位置し、カットバ島のほか大小3,000もの奇岩、島々が存在する。伝承では、中国がベトナムに侵攻してきた時、竜の親子が現れ敵を破り、口から吐き出した宝石が湾内の島々になったと伝えられている。 カットバ島以外の島は現在は無人だが、約7,000年前の新石器時代にはわずかに人が住んでいた。また、数世紀前までは海賊の隠れ家として利用され、また モンゴル軍の侵攻の際には軍事的に利用された。

彫刻作品のような島々の景観は、太陽の位置によって輝きが変化し、雨や霧によってまた趣のある雰囲気を醸し出す。 地質学的には北は桂林から、南はニンビンまでの広大な石灰岩台地の一角である。石灰岩台地が沈降し、侵食作用が進んで、現在の姿となった。

1994年にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録。

ハロン湾クルーズ ハロン湾クルーズ

船はハロン湾内で一旦停泊し、昼食の準備に取り掛かるため、ツアー客は一旦外に出された。
外と言ってもそこは陸地ではなく、浮島になった人口の生簀。
この生簀の中には様々な魚が入っており、見たことも無い魚やカブトガニまであった。
どうやらここで購入すればその場でさばいて提供してくれるらしいのだが、誰一人として購入したツアー客はいなかった。
『食べたい』と思う前に『法外な料金を請求されるに違いない』と思った人が大半ではないだろうか。

しばらくするとツアー客は船内に呼び戻され、昼食の時間となった。
メコン河クルーズでもそうだったが、シンカフェの一日ツアーには昼食付きだから助かる。
先程座っていた席に6人分の食事が用意されていて、俺 + タイ人3人組 + もう一組のカップル(白人男とアジア系の女)が着席した。

ハロン湾クルーズ ハロン湾クルーズ

青菜の炒め物に卵焼き。 餡かけの焼き魚によく分からない料理がもう二皿。 そしてご飯。
このご飯は見るからに不味そうだ・・・。 まずこの洗面器のようなものに入っているのが大間違いだろう・・・。
案の定、メコン河クルーズの時の昼食とは天と地程の違いで、どれもこれも殆どが美味しくなかった。
それでも俺とタイ人3人組はそれなりに食べていたが、カップルは全く手を付けていなかった。
そもそも勝手にカップルと決め付けているが、ただ単にお互いソロの参加者かもしれない。
女の方はアジア系のくせに全く手を付けずに水しか飲んでおらず、男の白人に至っては持参したクッキーを食っていた。

食事をしながらも船は進んでいる。
しばらくするとまた別の人工島に到着した。
ここでは希望者は手漕ぎ舟に乗り換えて、大型船では進めない場所へと行けるというのだ。
しかしこの舟へ乗るには1人10万ドンが必要。
ツアー料金には含まれていないので、自腹で払う必要がある。
あくまでも自由形のオプションなのだが、ここで数十分待っていても仕方ないので10万ドン払って船へと乗り込んだ。

タイ人の3人組に一緒に乗ろうと誘われて嬉しかったというのもあるけど、おそらくは一人でも乗っていたと思う。
しかし気心が知れた仲間とまた一緒になることができたので、安心したというのも事実だ。
結局ツアー参加者で手漕ぎ舟に乗らなかったのは2人くらいだった。

手漕ぎ舟と言っても自分達で漕ぐわけではなく、ちゃんとおばさんの船頭がいる。
少し考えてみたのだが、一人10万ドン(日本円で500円)も料金を支払うとなると、このおばさん達の給料はかなりの高額になる。
目安としてこの国では500mlの水が約30円。
1回のツアーで30人*500円で15,000円。
それを1日3グループが来たとすると4,5000円。 それだけで900万ドンなわけだ。
それを5人のおばさん達で分けたとしても一人180万ドン。
ベトナムの中の上の平均家賃が300万ドンだから、家賃の半分を1日で稼ぐ計算になる。

ハロン湾クルーズ ハロン湾クルーズ

そんな事を考えながらも、タイ人の友達との楽しい時間は続いた。
みんなよく笑うしよく喋る。 本当に居心地がいい。

手漕ぎ舟から見る景色は、客船のデッキから見るのとはまた違ったものだった。
水墨画のような山々がすぐそこに、手の届きそうな位置にあり、山に囲まれた波の無い湾はさながら秘密基地のようである。
船頭のおばさんに「あまり動かないで」と注意されながら、舟と楽しい時間はゆっくりと進んで行った。

ハロン湾クルーズ ハロン湾クルーズ

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やはり一生に一度しかないチャンスの時には、『考えるんじゃない、感じるんだ!』の通りに行動して正解だ。
ハロン湾の岩山の下に舟で潜るなんてなかなか経験できる事じゃない。

ハロン湾のツアーはまだまだ続く。

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