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 11.04.28 社会主義の途上国

まだまだ移動、そして再会

ニャチャンからホイアン行きのバスに乗り換え、自分の座席「14番」を探す。
座席はすぐに見つかったが、華僑のオージー♀が横たわっていた。
何だコイツ。 「おい、そこは俺の席だ。 どけよ。」
「あら、私が14番の席よ。 私の前の11番の彼とペアだもの。」
どうやら14番の前の席に横たわっている男とカップルらしい。

そんな事はまずありえないだろう。
11と12や13と14のように連番ならありえるが、11と14のように前後で意図的にペアになるなんてまずありえない。
このクソ女が嘘をついている事はすぐに分かった。
しかし自分の座席番号が書いてあるチケットは、バスの乗車時に運転手にわたしてしまう為、コイツの真偽を確かめる術は無い。

ここは一旦引いて、運転手に「おい、俺の席にオージーが座っている。」と告げる。
ちょうどその時、ボーイッシュな髪型の白人のおばさんも「私の18番の席にも人がいるわ。」と苦情を告げていた。
お互い困った顔を見合わせると、「ダブルブッキングしてるわねえ。」と話しかけてきた。
ボーイッシュおばさんの英語はハッキリしていてとても聞き易かったが、俺の語学力が無さ過ぎて愛想笑いしかできなかった。

程なくして俺の席に居座っていたクソオージー♀は、席をどいて男と離れ離れになった。
きっとカップルで近くになりたかったから座席を偽ったのだろう。
ざまーみやがれ。 今すぐ死ね。

乗り込んでから30分以上してバスはホイアンに向けて発車した。
しばらくは音楽を聴きながら夜の車窓を眺めていた。
賑やかなニャチャン市内をしばらく走った後は、ひたすら郊外を走り続けた。

ここでまたハプニング発生。
ヲークマンのイヤホンが片側だけ聞こえなくなった。
片方からしか聞こえてこない音楽は心地よさなど一切無く、耳障りなノイズと成り果てた。
仕方が無いので、イヤホンを外して居眠りを始めた。

居眠りをしていたが、完全に熟睡していたわけではない。
バスは真っ暗な闇の中で停まった。
時刻は23:30。

ホイアンへ向かう途中 ホイアンへ向かう途中

どうやら休憩タイムのようだ。
表に出て立ちションする。 バスの陰や茂みの中など、みんないたるところで立ちションしている。
こういう時、男に生まれて便利だとつくづく感じる。

このドライブインのような所は、なかなか繁盛している。
周りを見回しても何も無い為、長距離のバスやトラックなどみんな活用しているのだろう。
何か食べたいと思うほど腹は減ってないが、とりあえず建物の中に入ってみた。
壁には至る所にヤモリが這っている。
オレンジジュースを1本購入したが、埃が被っている上に冷えてない。

30分程度の休憩を終え、バスは再び闇の中を走り出した。
ここからは外の闇を眺める事も無く、すっかり眠ってしまった。
昨日は野宿、そして今日は車中泊、これでは疲れが取れない。

気が付くと外は明るくなっていて、時刻はAM6:00。
そしてすぐに中間目的地のホイアンへ到着した。
まずはシンカフェでフエからハノイまでの移動手段を確保する事が先決だ。

ホイアン ホイアン

フエはホーチミンとハノイのちょうど中間くらいに位置している。
ここホイアンからフエまでのチケットはなんとか確保してあるが、フエからハノイが全く空白のままだ。
とりあえずシンカフェでフエからハノイのバスを当たってみるが、2日先まで満席だという。
ムイネで聞いた時と同じだった。
だが列車ならあるかもしれないとの答えが返って来たので、期待しながら返事を待つ事に。
しかし列車のオフィスが開くのは7:20分からとの事で、また7:20になったら来るようにと言われた。

これは何とラッキー。
バスよりは列車派な俺としては、もし列車で移動できる事になったら願ったり叶ったりだ。
とりあえず7:20までは隣のカフェで日記を書きながら時間を潰す事にした。

シンカフェを出ると早速客引きの嵐。
宿は決まっているのか? ホイアンを案内するよ。 などと、怒涛の攻めが来た。
ホイアンの街並みは世界遺産に登録されている為、散策はかなり興味があったが、スケジュール的に無理なので泣きながら諦めた。

ホイアン ホイアン

まだ陽は高くないので、それほど暑さを感じない。
シンカフェの隣の店でコーヒーを注文。
アイスコーヒーを頼んだのだが、なぜだかホットコーヒーが出てきた。 我慢しながら飲んだが・・・。
しばらく日記を書きながらコーヒーを飲んでいると、時刻はすぐに7:20になった。

再度シンカフェへ移動し、従業員に列車の予約状況を尋ねた。
しかし返って来た答えは満席。
まぁムイネで言われたから予想はしてたけど。

となると、いよいよ移動手段がなくなった。
しかしハロン湾にはどうしても行きたいし、そうすると日帰りのツアーだとしても絶対にハノイに2泊はする必要がある。
すると従業員が「飛行機なら空いている」と言ってきた。

しかし考えた。
飛行機だと値段がバスの倍以上になってしまうし、なんか反則みたいな気がしてどうしても嫌だった。
しかし移動手段が本当にもう無いし、フエからハノイまで1時間というのはとても魅力的だ。
そして今夜すぐに発てるというのが1番嬉しい。

俺:「よし、決めたよおっちゃん! 飛行機にするよ!!」
おっちゃん:「OK! じゃぁ早速手配するぜ!!」

そうやっておっちゃんがパソコンをカタカタやり始めた頃、

ともくんじゃん!!

という声が後ろで聞こえた。
後ろを振り返ると、なんと数日前にホーチミンで知らないうちに分かれてしまったシンがいた。
ホーチミンからホイアンまで900km、異国の地で偶然にも二人は再会した。

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