バスは7:30過ぎにホーチミンのシンカフェ前から出発した。
寝てるとも座ってるとも言えない中途半端な姿勢でベトナムの車窓を眺めているが、この体勢は決して苦ではない。
さすがベトナムを代表するツアー会社のバスなだけはあって、よく考えられている。
ホーチミンの街中から出て、しばらくは郊外の幹線道路を走る。
音楽を聴きながらウトウト・・・外の景色も時間に合わせて変わっていく。
あぁ・・・俺は旅をしているんだ。
何度か海外旅行に行ったが、この瞬間が一番その感覚を感じ取れた。
そして9:30、サービスエリアのような場所で給油とトイレタイム。
乗客は軽食を取ったり土産を買ったりしているが、俺はトイレと一服だけにした。
15分ほどするとバスは再度走り出した。
ここからはしばらくノンストップで走り続ける。
窓の外を見続けているが、あまり退屈さは感じなかった。
走っているのは道路の両側に商店や安ホテルが立ち並ぶ、街中の小さな片側一車線の国道で、高架の幹線道路でも田園地帯でもないから飽きる事が無い。
しかしその風景は決して先進国のような美麗さや華やかさとは程遠く、いかにも途上国の街道町と言ったところだ。
そういう風景というのは実際に数多くの現地人の生活が垣間見えるもので、退屈どころかとても興味深かった。
途上国の一般の街並みをどんどん過ぎて、辺りはだんだんとリゾート地の様相になってきていた。
民家兼商店や汚い安宿は消え、リゾートホテルやレストランが立ち並ぶ風景が目に飛び込んでくるようになった。
お~・・・この感じはそろそろニャチャンに到着か・・・!?
ホテルやレストランの並ぶ景色に少し飽きてきた頃、バスは路肩に停車した。
運転手が何か言ったが俺は聞き取れなかった。 が、車内の3分の1くらいの乗客が降りていった。
客達はバスの底部のトランクから各々の荷物を受け取っている。
着いた。 ニャチャンに着いた!! 時刻は12:30。
12:30だって!!? 困るぜ・・・!
前回の日記でも書いたが、ホーチミン→フエのルートはニャチャンで1回の乗換えが必要なのだが、次のバスは19:00なのだ。
シンカフェの店員が取ってくれたバスでの最短ルートなので疑いようが無いが、ここで半日以上も時間を潰すのは結構辛い。
地図ではもっと遠くあと数百キロの距離があるように思えたが、こんなに近いとは誤算だった。
しかし着いてしまったものは仕方が無い。
俺も慌ててバスを降りると、それを見た運転手は俺の荷物もトランクから降ろしてくれた。
路肩に停まったバスから道を挟んで正面にはシンカフェがあった。
どうやらバスは各地域のシンカフェまでを結んでいるようだ。
シンカフェはだいたいが都市部の中心にあるので、これは分かり易くてラッキー。
とりあえずシンカフェ・ニャチャン支店の裏へ行き、ビーチに向かってみた。
なんと・・・なんとビーチが目の前!!!
あ~気持ち良さそう。 水着持ってくればよかった。
焼けるような日差しに青い海から吹いてくる風。
暑いけど気持ちがいい。
さすがリゾート地だけあって、海に面してるのはレストランやホテルばかり。
そのすぐ裏がビーチになっている。
ホテルの庭では客達がバーベキューをやっていたり、椅子に座って酒を飲みながら海を眺めたり、とても優雅な時間を過ごしていた。
しばらく海辺を散歩した後、お腹も空いてきたしあまりにも暑いので、どこか店で時間を潰す事にした。
一旦ビーチを後にし、どの店で飯を食うか通りを軽く散策。
あまり高級なところは避けたい。
少し歩いてみたが、結局はシンカフェの斜め前にあった店でビールを飲む事に決めた。
席についてビールとつまみのライスペーパーの春巻きを注文。
う・・・オープンなレストランなんて選ぶんじゃなかった・・・。
暑い、暑い、暑すぎる!!
料理を待ってる間も、ただ座ってるだけなのに汗が滝のように流れてくる。
だけどそのおかげでビールが美味い!!
ベトナムでは大量のビールを飲んでもトイレに行く事はほとんどなかった。
摂取した水分が膀胱に辿り着く前に、全て汗として身体から出てしまうからだ。
この春巻きはシーフードと野菜がぎっしりで、香草にパクチーやミントが入っている。
しかしこれだけではとてもじゃないが足りないので、ガーリックチキンフライドライスを注文。
もう半端じゃなく美味い!!
そしてまたまた追加でビールを注文。
これだけ食うとさすがに腹が爆発しそうだったが、この暑さではカロリーの消費も激しいのでプラマイ0だと思う事にした。
次のバスが来るまではまだ5時間もあるので、しばらくはこの店で日記を書いて時間を潰す事にした。 |