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 11.04.28 社会主義の途上国

出会って10分で別れ

今朝は6:00起床。 の予定が、いつもの通り寝坊して6:30起床。
昨夜は色々ありすぎた日中を悔やんだりしていてなかなか寝付けなかった。
今日から過酷な陸路のベトナム北上の旅が始まる。
ルートはここホーチミンを北上し、一旦ニャチャンという街でバスを乗換え、次のバスでフエを目指すというルート。

シャワーを浴びて7:00過ぎにホテルを出た。
いつもの愛想の良い若奥様はいなくてちょっと残念だった。 いたら礼を言おうと思ってたのだが。
そして徒歩3分のシンカフェへ。

今日はちゃんとバスのチケットを持っている。
ちなみに、一昨日のメコンデルタツアーのチケットは、ホテルのベッドの下から今朝になって出てきた。
シンカフェ前は朝から大勢の人でごった返している。
そのほとんどは観光客で、たまに現地の物売りのおばさんがやってくる。

シンカフェの前で自分の乗るバスを待っているが、ここはバスターミナルでもなんでもなくただの一般道と歩道。
なので普通の現地人も往来してるので、混み具合がハンパじゃない。

「こんにちは、日本人ですか?」
異国で聞く日本語に思わず振り返ると、そこには一人の好青年がいた。
彼はもちろん正真正銘の純日本人で、名前をシンといった。
とてもホッとした気持ちになり、すぐに会話が始まった。
年齢は奇遇にも俺と同い年で、和歌山出身。
ベトナムに限らずアジアを旅しているバックパッカーだ。
日本でもちゃんと仕事をしているが、3年間の休職届けを出して、表向きは語学留学という名目で旅をしているらしい。

二人はすぐに気が合ってどんどん話が弾んできた。
そして話しているうちにホーチミンからホイアンまでルートが一緒だという事が分かった。
これは楽しい旅になるぞ!! 現役バックパッカーの話も生で聞けるし、何より気が合いそうな感じだから、寂しかった一人旅をこれで一旦終了できる。
俺はシンの降りるホイアンより少し先のフエまで行く予定だったが、もし道中が楽しかったらホイアンで降りてもいいと思った。
別に何の予定も決めてないし、ハロン湾と帰りの飛行機に間に合えばいいと考えていた。

しばらく話し込んでるとバスは何台もやってきたが、二人の乗るバスはどれも違った。
ようやくやって来たバスにナンバーを確認し乗り込む。

長距離バス 長距離バス

おぉ・・・これがベトナムの長距離バスか!!
車内は3列シートの2段になっていて、俺は窓際の1階席だった。
長距離だから上の段と通路に挟まれた真ん中席じゃなくて助かった。

俺のシートはNo.6で、シンは確か20番台だった気がする。
席は離れてしまってるが途中から空くかもしれないし、空かなかったら近くの人に代わってもらってもいい。
そう思いながらシンが乗り込んでくるのを待ってたが、一向にバスに乗ってこない。

窓から外を見てシンを探す。
外の人ごみの中にシンを発見したが、係員に何かを言われてこのバスとは違うあらぬ方向に向かって行った。
あれ・・・あれ~? あーあー・・・。
なす術も無くその光景を車内から見ているしかなかった。

本当に惜しい。
これから楽しい旅になるはずだったのに・・・。
挨拶もできないまま、連絡先も知らないままのお別れとなってしまった。
もっと話したかった。

こうして束の間の喜びは唐突な終焉を迎えた。
そして俺はまた一人に戻った。

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