民家の裏の細い路地をガイドに連れ立って少し歩く。
そこには下り階段があり、その先はメコン河の支流へとつながっていた。
ここからがいよいよクライマックスか。
河にはボートが停泊していて、おばさんの船頭がいる。
それは波止場と呼ぶにはあまりにも小さく簡素な造り。
船は一艘しか停泊できないので、乗船も1人ずつしかできない為、4人乗りのたくさんのボートは河のあちこちで待機している。
ここでもさっき知り合った日本人と一緒にボートに乗ろうと思っていたが、ガイドのせいでバラバラに離されてしまった。
手漕ぎのボートはゆっくりと河を下りだした。
上と左右には熱帯特有の植物が元気に茂り、下は茶色い水で、まるでジャングルの中にいるような間隔に陥る。
ツアー客を乗せたボートが何台も河をゆっくりと進んでいる。
ライスペーパー工場だとかハチミツ工場だとかより、この河下りが一番テンションがあがった。
他はなくてもいいから、この河下りだけは外せなかった。
もちろんこの河にいる船はツアー客だけじゃない。
地元の人も単純に「道路」として使っている。
この体験は日本では絶対にできない。 これだけでも参加した価値があった。
20分くらい河を下るとメコン河の本流に合流。
そこには桟橋があって、先程乗ってきたエンジンつきの大きな船に乗り換える事になった。
そしてメコン河の本流を移動する事十数分、長かったツアーもこれで終わりかな? と思っていると、船はまたしてもどこかに停泊した。
今度は何だ?
船を降りまたしても畦道を少し進むと、ココナッツ工場へと到着した。
あま~い匂いが立ち込めている。
ガイドが色々と説明してるが、もう俺の中ではツアーのクライマックスは過ぎたのだ。
ココナッツ工場などさほど興味は無い。
内部では女性達が何かを作っている。
あれはなんだ、ココナッツキャンデーの袋でも包んでいるのか?
ここで俺が気になったのが、何人かのツアー客がココナッツジュースを飲んでいる。
あ、俺も飲みたい。 記念に飲んでみたい!!
しかしたいして美味しくないという話は聞いているし、いくらか分かんないし。
買おうか迷っていたところの決め手が、上床さん似の日本人が飲んでいた事。
奴が飲んでいるなら俺も飲んでみよう!
すいません、1個くれ!!
ココナッツの皮はなぜか剥かれていた。
皮を細工して民芸品でもつくるのだろうか。
そして味は・・・ほんのり甘い。 美味くはない。 微妙に甘い水。
冷やしてないからさらに美味さが落ちている気がする。
まぁ記念だ。
他の奴らを見ると、飲み終わったココナッツを鉈で割ってもらい、内部のゼリー状のようなものをスプーンで食べている。
よし、俺も!!
と思ったら、「はい、もう行きますよ」と告げた。
クッソ・・・。
再度船に乗り込み移動する。 時間的にもこれで終了だろう。
船はしばらく走って、バスが止まっている最初の地点へと戻ってきた。
どうでもいい見所がたくさんあったけど、1300円でこのツアーは安い。 しかも昼食つき。
ベトナム2日目はかなり充実した1日だった。
ツアー客全員がバスに乗り込むと、ホーチミンへと向かって走り出した。
いやーいい経験した。 |