エルサレムの市街地を少し走り、辺りが荒野に変わってきたら、バスは何度もカーブしながらどんどん坂を下っていった。
これから目指す死海は海抜-400mという、世界で一番の低地にある。
前回の写真を見れば分かるように、回りは岩山だらけ。
エルサレムから死海周辺のEin Bokekへはバスで約2時間。
Ein Bokekのホテルまで直通なら1時間強で到着するが、このバスは乗客の1人1人を手前のEin GediやEin Bokekにあるホテル等を近い順に回って乗降させる為、距離/速度で時間を求めても全くあてにならない。
バスはかなりの高速で走り、エルサレムから1時間も走らないうちに死海が見えてきた。
基本的にEin Gediがある方の上の死海はほとんどが遊泳禁止になっていて、ホテルも少なく岩石地帯になっている。
観光地化してるのは地図上で見ると下の方の死海で、ホテルも密集している。
死海が見えてからは湖沿いの国道をずっと走っているのだが、時折岩山の方の道に反れてしばらく走ったかと思うと乗客を降ろす。
そして同じ道を戻り再度国道へ出て走り出す。
そんな事をしているからえらい時間がかかる。
しかし、ホテル前へ到着すると運転手が教えてくれるので乗り過ごすという不安は無かった。
やがて上の死海が途切れ、しばらく荒野を走った後国道は下の死海沿いを走り始めた。
やがて荒野の中に大きなホテルが立ち並び、その中の1つのホテルの前でバスは停車した。
Hod Hotelに到着したとすぐに分かった。
写真は夜だが、実際に到着したのはまだまだ明るい時間帯。
2枚目は中庭からビーチへ向かう通路。
リゾート地に相応しい大きくて綺麗なホテル。
本当は宿泊費を安く抑えて美味いもの食ったり色々見て回ったりした方が有意義だと思うから、なるべくこういう所へは泊まりたくないのだが、ここら辺一帯はこのようなリゾートホテルばかりで安宿なんて一軒も無い。
これでもEin Bokekでは安いホテルを選んだつもり。 まぁ昨日のGOLDEN BEACH HOTELも今日のHod Hotelも妹に任せたから、本当に周辺で一番安いのかは知らないが。
ちなみに朝食付きで1泊12,500円の4つ星。 高すぎる。
フロントも綺麗で受付の対応もしっかりしている。
ホテル内には土産物屋やプール、Spa、ラウンジなど、施設が揃えられている。
その為宿泊客も年配の裕福白人ばかりで、1人で貧乏旅行をしている邦人なんて1人もいない。
チェックインを済ませカードキーを受け取って部屋へ向かう。
2Fだか3Fだか忘れたが、廊下を歩いてるだけで自分も金持ちになった気がしてくる。
た、高い金を出しただけはあるぜ・・・。
昨日のようなクソ狭くて暗い部屋とは大違い。
広くて明るくて清潔でアメニティも充実している。
そして何より嬉しかったのは、
浴槽が付いていらっしゃる!
しかも外人サイズなのか、足を目一杯伸ばす事ができる。
これは何もかも合格だ。
まぁたまにはこういう所に泊まるのもいいか。
この後、くつろぎながら重要な事に気付いた。
JTBの航空チケット引き換えの紙に、トルコ航空はリコンファームが必要と書いてある。
この時点で大変焦ってしまい、妹にリコンファームを無視するとどうなるのかとメールしてみると、最悪はキャンセル扱いにされてしまうという。
しかも72時間前までに手続きしないといけないという事で、今やるしかないのだ。
帰りの便の搭乗まで日付的にあと4日しかない。
こうして慌てながらトルコ航空へ電話をするが、電話に出たお姉さんが何を言ってるのかさっぱり分からない。
当然だが日本語を話せるオペレーターは居なく、トルコ語と英語のどちらかを選ぶしかなかった。
20分近く話していたが、俺の言いたい事とは捻じ曲がって伝わってしまったらしく、最終的には「イスラエル時間の明日の正午までにご入金を。」みたいな感じで終わった。
搭乗の意思があるという事を伝えたかったのに、どうやら新規でチケットを取って欲しいと思われたようだ。 多分。
まぁどうにかなるか。 と思っていたら、現代ではリコンファームはそんなに重要じゃないらしい。(後で知ったのだが。)
ちなみに後日冷静に考えたら、表向きはリコンファームが必要なフィン・エアーでもリコンファームなんかしなかったし、イスラエルに来る際の往路でさえしてない事に気付いた。
しかしそんな緊張感は即刻忘れて、海パンを持って死海へと飛び出した。
|