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 10.01.10 マイナスライフ

SantaClaus Village:可愛い喫茶店

郵便局を出て左側をふと見るとさっきの可愛らしい喫茶店が営業している様子。
どうする? 入ってみようか~キャハハ♪ なんて脳内会議をした結果、中に入ってホットチョコレートを頼んでみる事になった。
外からドアのガラスの向こうを見てみる、と中には囲炉裏みたいなものがあり、本当にこういう小屋にはお似合いだ。

可愛い喫茶店 可愛い喫茶店

会計は先払いか後払いかと案の定悩んだが、それはほんの数十秒。 なんとも精神的に成長している。
「こんにちは! oma氏が来たよヾ= ̄∇ ̄)ノ」と勇ましくドアを開け中に入る。 さてさてどんな妖精さんがお出迎えしてくれるのであろう。

なんと・・・!

出てきたのは毛むくじゃらのエスキモーのような巨大なおっさん1人。
こ、怖い。
似合わない。 こんな可愛らしいリトルフェアリーのお店に貴方は似合わない!!
まさかこのおっさんは魔王が仕向けた四天王で、可愛い妖精さん達を残らず喰ってしまったのではないだろうか。

入店するとドア左側にレジカウンター。 室内中央には囲炉裏があり、丸い建物を囲むようにテーブルが配置されている。
客は俺以外居ない。
壁は何かの動物の革のようなもので覆われていた。 防寒対策なのかインテリアなのか。
灯りは白熱系の電球で、はたしてこれは電気なのかオイルなのか自分にはよく分からないが、店内の雰囲気にマッチしている。

可愛い喫茶店 可愛い喫茶店

しばらくするとホットチョコレートが運ばれてきた。
と、思いきや、運ばれてきたのはなんとビール。
お、俺は無意識のうちにビールを頼んでしまっていたのか・・・恐ろしい。
そしてさらに恐ろしいのは、さっき特大ピザを食ったばかりなのにここでサーモンも注文していた事。
そしてサーモンにはパンとタルタルソースまで付いてきて、見ただけで満腹が甦ってきた。

しかしいちいちお洒落で、木の器に木のナイフにフォーク。
程よく漕げた油の乗ったバルト海のサーモンは見るからに美味そうで、ついさっき満腹になった事も忘れさせてくれるよう。

可愛い喫茶店 可愛い喫茶店

無言で食い始める(独り言を言いながら食うのもキモイが、おっさんと世間話をするまでのスキルも無い。)
俺も無言・・・エスキモーも無言・・・なんだこの空間。

しばらくすると一組、そしてさらに一組と客が入ってきた。
店内もだいぶ賑やかになってきて、白人女2人の客なんかはエスキモーとうるさく喋りまくっている。
それは途中からエスキモーの独壇場になり、白人女2人も頷いているだけになった。
なんだか栄枯盛衰の儚さを感じた。 まぁどうでもいいいが。

というか、こっちは食うのに必死だ。
もう正直吐きそうなんだ。 喉まで出掛かっている。
主食の直後にもう1回主食を食ってるわけだ、そりゃ辛い。
そしてさっきはコーラ、今回はビール。 腹の中で炭酸を吸ったイースト菌が何百倍にも膨らんでる感じがする。
エ、エスキモーの事は考えるのはよそう・・・食ったら即行店を出て、雪の中で深呼吸して落ち着くんだ。

意識が遠のきながらも、半ば無理やりパンを口に詰め込み完食。
表向きは笑顔で店を後にしたが、実際はほとんど死に掛かっていた。
その笑顔は気の弱い日本人の最後の精一杯の努力だった。

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