戻るか進むか・・・二者択一の答えを迫られていた。
今日はホテルに帰れないのではないか? このおっさんの悪い仲間の所に連れて行かれて、身包み剥がされるのではないか?
頭はマイナス思考の一途を辿る。
「○×△□☆♂♀!!」
なんと言っていたのかは分からない。
声がした瞬間、頭を上げてふと車窓を見ると・・・
着いた!! ついに着いたぞ!!! おっさんありがとう!!
一時はどうなる事かと思ったが、無事に到着できた。 疑ったおっさんには悪いが、これは仕方が無い。
っつーか、途中で道を聞いた時のイケメン警官は、やはりタクシーで25分と言っていたのか。
道を知ってたとしても、歩くと3時間以上かかるわ!!
結構田舎だけど、さすがにインフラは整っている。 近くに鉄道らしきものも走っている。
デパートの屋上に観覧車は見えた。 あれを撮りに来たんだよ・・・。
建物や噴水を撮りつつ、デパートに潜入してみた。
ららぽーととか丸井の規模だと思う。 中はブランド品等の店がたくさん入っていた。
それにしても人が少ない。 日本のお台場やみなとみらいは、平日でもこんなに閑散としていないだろう。
週末はもっと混むのだろうか?
1階~5階くらいまで吹き抜けになった内部には、客は数えるほどしか居なかった。
おそら赤字だろうなあ・・・などと思ったが、政府が現在力を入れて開発しているのがこの内湖区で台湾の副都心にしたいらしい。
というと、収益の見込みはこれからなのだろう。
観覧車はデパートの屋上にあるので、とりあえずもっと間近で撮影する為には自分も屋上まで行かねばならない。
きっとカップルで溢れかえっているんだろうか。
見た目は日本人も台湾人も区別がつかないから困る。 きっとカップルに影で笑われるに違いない。(あはは寂しいBoyが1人で来てるよww)
あれーーー!!? 全然いないよぉ!!
平日だからか、それとも都心から若干離れているからか、客は殆ど居ない。
屋上は観覧車とカフェテラスと映画館が併設されている。 夜景も綺麗だし、カップルでイチャイチャするにはもってこいの場所だ。
カフェや映画館や観覧車を遠巻きに撮影。
こんだけ空いてるなら俺も観覧車に並んでみるか? いやいや、さすがにそれは出来ない。
いくら空いているとはいえ、日本で言うお台場やみなとみらいに1人で来ているようなもんなのだから。
1人でパシャパシャやっている今だって、どこかの誰かに笑われているに違いないのだから。
いや待て、俺は日本人観光客だ。 旅の恥はかき捨てだぞ!?
いやいやいや、日本人と台湾人は見分けがつかないじゃないか!
心の葛藤の陰と陽で素敵なハーモニーを奏で初めて30分、気付いたら観覧車の列に並んでいた。
なんだってーーーーーっ!!?(AA略
人数が少ないからか、それともプライバシーを遵守してか、1つおきのゴンドラに客を乗せている。
ドキドキドキ・・・俺はさすがに乗るつもりはなかったのに。。。
まぁいざとなれば人間って何でもできるもんだな! 自分の行動力にビックリでござる。
まぁ周りを見ると皆ペアペアペア。 シングルで並んでるのは俺だけ。
ところが1回並んでしまえば、なんとも思わない自分が居る。
とても冷静な自分は、ここぞとばかりに看板やゴンドラを撮りまくっている。
まぁ5分も並んでれば乗れるでしょう。 そのくらい人が少ない。
と、突然係員の兄さんが話しかけてきた。
イケメン店員:「○×△□☆♂♀?」
背は低いけどかなりのイケメンだ。 しかし、やはり見た目は一緒なのか、現地語で話しかけられるとなぜか少し嬉しい。
俺:「Sorry. I'm Japanese・・・」
イケメン店員:「Oh~ English?」
俺:「a little.」
ヒアリングに関しては中国語よりは全然英語の方が楽だ。 最悪は筆談で。
イケメン店員:「ペラペラペ~ラ」
俺:「Σ」
イケメン店員:「ペラペラペ~ラ ペラペ~ラ?」
俺:「・・・・・・^_^;」
このやろう!! イケメンな上に頭もいいのかよ!!
ここまで流暢に話されるとさっぱりわからんわ!!
もう勝手にしてくれ。 と思っていると、隣のレーンに並ばされた。 先頭に来てしまった。
後でわかったのだが、人が並んでいる方は、ゴンドラがスケルトンになっている方。 誰も並んで無いほうは普通のゴンドラ。
それならそうと「スケルトン」って単語を交えてほしかったわ。(冷静になって考えると、透ケルトンは日本語の造語だった。) ちなみに普通のゴンドラは待ち時間0分だ。
イケメン店員がチケットを拝見と言う。
チケット? そんなん持ってねーよ。どこで買うんだよ。
俺:「あ~・・・Where buy ticket?」
イケメン店員:「ペラペラペ~ラ」
俺:「xie xie. please wait.」
うわーーー! 乗ってしまった。 ありえねぇ!! 乗ってしまった!!!
本当は遠巻きの撮影だけで、乗る事はありえないと思ってたのに乗ってしまったよ!!
観覧車の中から夜景を撮影。 遠くに台北101が見える。
やはりこういう観覧車は彼女と一緒に乗りたいなあ・・・とか思ったのは一瞬。
1周17分のうち、彼女と乗りたいと思ったのが2分、夜景の撮影は手ブレして難しいなあと思ったのが10分、T-gashiと乗ったら奴はどれだけはしゃぐだろうか・・・と思ったのが5分。
こうして17分間の空中散歩を無事に終えた。 |