両替を済ませて、湖を約半周したところでこの後どうするか考えた。
地図を見るとどうも駅が近いようだ。
何度も言ってるが、駅は俺の中では主要観光地の一つだ。
それも都市部の駅となると、線路が多数入り混じってプラットホームも大量にあり、様々な列車が停車や発着をしてるとなると、想像しただけでオラの心はwakuwakuしてくる。
よし、では駅に向かってレッツゴーヲーキングだ!!
テンションの高ぶりを抑えつつ、地図を見ながら駅方面へと歩き出す。
おそらく10分弱で駅に着けるだろうと予想。
しかし予想とは大きく外れた。
行けども行けども駅が見えてこない。
10分、15分、20分・・・おかしい。
駅に向かって歩き始めた当初は、心躍っていた為通りの風景を写真に収めながら歩いたりしていたが、時間が経つにつれて不安と焦燥が大きくなってきてそれどころではなくなっていた。
30分・・・40分・・・どれだけ歩いても駅らしき建物も線路すらも見えない。
ここは仕方なく涙を呑んで諦めて戻る事にした。
朝から何も食べてなく、かなり歩いたので腹が減ってきた。
ベトナムはパンが美味しい事でも有名だ。
そういえばホアンキエム湖の周辺にも洒落たカフェがたくさんあった。
昼飯はあそこら辺で食ってもいいだろうと思いながら歩いてると・・・なんとも興味をそそる看板を発見した。
街の安食堂だが、看板にはベトナム語の他に片仮名で「ワンタンメン」と書いてある。
パンもいいが、こういう不衛生で個人経営のような汚らしい食堂というのはなんとも心躍ってしまう。
店内に入ると、壁には1杯40000ドンと値段が提示されていた。
40000ドンだと!? 庶民の店にしては高すぎる。
というより、表の看板に片仮名表記のみある事自体が既におかしい。 と、この日記を書きながら思ったが、当時はそこまで頭が回らなかった。
片仮名表記 → 日本人入店 → 日本人価格
おそらく間違いないだろう。
店内には現地の人も大勢いたが、まちがいなく半額以下の値段で食っているに違いない。
40000ドンなんて200円くらいなもので、日本ではタバコすら買えない額だが、こういう商売のやり方には腹が立つ。
まぁ実際はそこまで考えていたわけではないので、とりあえずワンタンメンを注文し席に着いて待つ。
店内は薄暗いがかなり繁盛していて活気があった。
何度も言うが、お世辞にも綺麗とは言えない店。
おそらくスープを煮込んでいる大釜には、埃や排気ガスや、小さな虫なんかもたくさん入っているだろう。
調理しているおばちゃん達の手だって、決して衛生的ではないだろう。
が、そういう店で食べる料理こそ真の現地の味だと思う。
麺は博多ラーメンのように細いストレート麺で、スープはあっさり系の豚骨と鶏がらベース。
具はたくさん入っていて、ニラ、春菊、揚げレバー、ハム、ワンタン、揚げワンタン卵など。
小皿にはカボスと唐辛子が入っていて、各自のお好みで入れるようだ。
意外にというべきか、やはりと言うべきか、結構美味い。
すぐに完食してしまった。 |