さぁ急いで戻らなければ!! ガソリンと時間的にApollo Bayで給油&食事かな。
それにしても天気が良いのでとても走りやすい。 今のとこは。
昨日もAnglesea辺りからは晴れたけれど、帰りもやはりその先の天候が不安。
なんといっても冬のMelbourneの天気は変わりやすいので、Melbourneに近づけば近づくほど不安になってくる。
とりあえずは時速100kmでぶっ飛ばし続ける。
Apollo Bayまで約100km。
順調に飛ばしていたら、4度目の死を覚悟した瞬間が・・・。
そこは右に大きくカーブをしている箇所で、減速するかバイクを傾けてカーブを曲がるかなのだが、俺はライダーじゃないので60~70km/h程に減速しようと思ったら時既に遅し。
CB250はカーブを曲がりきれず高速のまま直進。
あ~、あっ・・・あ~・・・。
死んだなと思った。
死の間際は人生が走馬灯のように甦ると聞くが、俺は生きるのに必死でそんな暇は無かった。
ズガガガガガガガアガガガッガッガッガガ
時速100km/hのまま直進したCBは道路を大きく外れ、濡れてる草原の中に突っ込んでいった。
瞬間思った事は、下が草原なのでこけてもまぁ・・・骨の2、3本逝くだけで死ぬ事はないだろう。
でも今度こそバイクは弁償させられるだろう。 傷も付くだろうしまたクラッチ折れるかもしれない。
冗談じゃねぇ! いくらかかるんだ!!!
ブレーキはかけられない。
下が濡れた草原なので100km/hの速度でブレーキかけると間違いなくスリップする。
とりあえずエンブレだけで車体を真っ直ぐに保つように必死になって、後は祈りながらそのまま草原を突き進んでいった。
まさにこんな状態。 本当にヒューヒュー言ってた。
70・・・60・・・50・・・40・・・30・・・20・・・徐々に速度が落ちていき、なんとか転倒せずにすんだ。
もうやだ・・・早くバイク降りたい・・・。
何とか気をとり直して再出発。
スピードの出しすぎは良くないですよ。 SO魔君! あなたいつかきっと死ぬ!
既に怯えきってるので80km/h前後で走り続けること数十分。
Apollo Bayまではあと3分の2くらいかな?
・・・?
??
この道・・・違くね・・・?
ちょっと待てよ? よく思い出せ。
上の地図のBから出発してAが目的地なわけだ。
1本道だし間違うはずはないのだが。
ただここがGreat Ocean Roadなら車とすれ違ってもいいはずなのだが、さっきから全然対向車は来ないし、後ろから来る気配も全く無い。
そう思いながらバイクは先に進み続けているのだが・・・ちょっと待て、一旦降りて頭を落ち着かせなければ。
とりあえず停車して立ちション。 そして印刷したGooglemapを見る。
・・・よく分からん。 来るときは間違わなかったのにな。 今どこを走ってるかも、どこで間違ったのかも全く分からない。
とりあえず下の図を見てほしい。
どこで間違えたのかが気になって帰国してから調べてみた。
図の左からGreat Ocean Roadを上ってくるのだが、[B]の地点での間違いが発覚した。
本来は図の左から来て[B]で右折しないといけないのだが、[C]の方へ直進していた。
ちなみに[D]がApollo Bayで[C]の上辺りで間違いに気付いた地点。
逆に往路の場合、Apollo BayからPort Campbellへ向かう時、[B]の地点で左折した事を思い出した。
上の写真下から向かってきて、ここで右折が正解。
しかし時速100km/hで飛ばしていた為、全く気付かずに直進していた。 ※参考Googlemap Streetview
しかしこれは全て帰国してから分かった事。
さっきも言ったように、この時はまだどこで間違ったのかもどこに今居るのかも分からない状態。
戻ったとしてもどれだけ戻ればいいか分からないし、時間は既に11時を過ぎていた為、戻るのが早いか進むのが早いのか早急に判断する必要があった。
誰か車でも通行人でもいればGooglemapの地図を見せて「Where is this?」で済むのだが、人の気配が感じられない。
(このページは↓の写真だけタップして2枚目。)
この写真の後ろの獣道みたいな道、絶対に行きたくない。
とりあえず今自分がどこに居るのか、そしてGreat Ocean Roadでなければどの道を走ってるのかを把握する必要がある。
人っ子一人居ないので、先に進むよりは少しずつゆっくり戻って看板や案内標識を探す事にした。
ゆっくり周りを見渡しながら走るが標識は見つからず、人も見つからず。
5分ほど戻るとT字路に出た。 ここなら道の標識が立ってるかもしれない!!
写真の黄色い看板は、残念ながら道の標識ではなかった・・・。 ※参考Googlemap Streetview
(実際には写真奥から手前に向かうところ。)
さて、この道を曲がってもいいのか、それともさらにゆっくり直進するか・・・。
どうしようかウロウロ悩んでいると、写真右側から1台の赤い車がやって来た。
これはチャンス!!
乗っていたのは華人系のカップルだった。
とりあえずその車を止めて、この道はGreat Ocean Roadかと聞いてみた。 (実際に後で分かった事だがBeech Forest Mount Sabine Rdという道だったが。)
すると男の方が残念ながらGreat Ocean Roadではないという。
じゃぁGreat Ocean Roadにはどう行けば出るかと聞いた。
この道を曲がってひたすら真っ直ぐ行けば出られると言う。 しかも自分達はそこから走ってきたとの事。
(これらは全てネイティブな英語での会話です。)
お礼を言って彼らが立ち去ってからも悩んだ。
本当にこの道を行くべきか・・・?
本当に進んでも大丈夫なのか?
実はもうガソリンがほとんど無い。 あと15kmも走れば完全に空になってしまう。
この先にスタンドはあるだろうか、Apollo Bayまでどれくらいの時間か、念の為戻ってスタンドを見つけてからまたここへ来るべきか、そういえばスタンドなんて来る途中見かけなかったが・・・。
っつーか、
つーか・・・
案内された先、すでに道が舗装されてないんですけど!!
でも悩んでる時間も無いんだよ・・・。
行くしかないんだよ・・・。
さっきのカップルが嘘を付いてるとは思えないし、とりあえず言われたとおり信じて進む事にした。
ガガガッガガガッ 舗装されてない道には穴ぼこがいっぱい開いていて、所々水も溜まっている。
石もゴロゴロしてるし、土埃がすごく舞い上がる。
そしてなぜか隣は崖、森の中、道がいろは坂以上に細かくウネっていて、空は木々でさえぎられている。
もちろん対向車も後ろからも車は来ない。
見てくれ、このウネウネ感を。
これは地図だが実際にはとんでもなくウネウネクネクネ。
曲がるたびに転びそうで、穴にはまらないように慎重に走る。
低速20~30km/hしか出せない。
冗談じゃねえ!
しかし既に後戻りは出来ないほど来てしまった為前へ進むしかない。
既に方向感覚は失われ、同じような道、同じような景色をグルグル回っている。
一番気がかりなのはガソリン。 メーターを見ると235km・・・236km・・・237km・・・リミットまでどんどん近づいていくが、この道が終わる気配は無い。
こんなとこでガス欠だけは避けなくては・・・しかしこのままでは避けようが無い!!
ガソリンが空になり、日も暮れて・・・邦人死す。 ※参考Googlemap Streetview
そんな見出しで新聞に載るだろうか・・・。
神様、今日中に帰れなくてもいいです! ちゃんとバイク延滞料も払うので、なんとか早いとこここを脱出させてください><、
そしてついに5度目の死を覚悟した瞬間、ついにバイクがガソリンリミットの250kmに達した。
かと言ってすぐに空になるわけではないし、いざとなったらコックひねって予備タンクのを使えばいいのだが、そこまで全く頭が回らなかった。
あぁ俺ここで死ぬんだ。
あのカーブを曲がればきっと・・・あのカーブを曲がればきっと・・・そう思いながら何回曲がっただろう。
しかも悪路なので気も抜けないし。
もう何分走っただろう。 あ、カップルと出会ってから1時間半くらい経ってる。
100以上のカーブを曲がって・・・目の前がT字路に。
そしてGreat Ocean Road B100の標識が!!!
。゚(゚ `Д)ノ。゚ヽ( )ノ゚。ヽ(Д´ ゚)ノ゚。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!!
あのカップル・・・確かにGreat Ocean Roadには出たけど、これは道じゃない!!
本当に遭難の危険を感じた。
とにかくスタンド!! 早くスタンド!! すぐに給油しなければ!!!
標識に従ってApollo Bayに向かって走り出す。
穴の開いてない道はなんて快適なんだ・・・。
下が土や石コロじゃない道はなんて快適なんだ・・・。 |